ユーカリフトモモ
 先日(9月26日)、スーパーでオーストラリア産牛肉サーロインステーキ用約150グラムを買い、家で焼いて、ワインの肴にした。ステーキや冬場のすき焼きなどを含め、牛肉を食ったのは今年、たぶん5、6回しかない。牛が大量の穀物を消費するということを知ったのと、牛肉が若い頃のように「美味い!」と思わなくなったからだ。
 鶏肉や豚肉も含め、肉類の消費量が年々少なくなっている。その分、魚が増えている。これも年取ったという証拠なのであろう。そのうち魚も減っていき、いずれは穀物、イモ類、豆類と野菜だけといった食生活になるかもしれない。

 オーストラリアの、コアラが好むということで有名なユーカリ。その名が付いているユーカリフトモモだが、ユーカリとは同科の別属。なので、コアラの食用になるかどうかは不明。ただ、その果実は人間の食用になる、先日、食ってみた。まあまあだった。
 コアラのように近くにある葉っぱを時々食って、日がな一日木にぶら下がっていたんでは退屈するかもしれないが、甘酸っぱい果実も時には食べ、違う味の葉っぱや木の実も食べて、本を読み、音楽を聴き、唄を歌い、文章を書き、絵を描いていれば、これはもう、とても優雅な、のんびりとした生活になるに違い・・・忘れていた、酒も必要。

 ユーカリフトモモ(ゆーかり蒲桃):果樹・公園
 フトモモ科の常緑高木 インド、スリランカ、マレーシアに分布 方言名:なし
 フトモモと同科同属(Syzygium)ということでフトモモと付く。ユーカリは、フトモモ科ユーカリ属(Eucalyptus)の総称。名前の由来について、参考にしている文献にはなかったが、フトモモの葉は細く、本種の葉はどちらかというとユーカリに似ているということで、ユーカリに似たフトモモということではないだろうか。
 別名にジャンボラン、ムラサキフトモモとあるが、ジャンボランは英名、ムラサキフトモモは果実の色から。フトモモとは果実の色の違いがはっきりしているので、ユーカリフトモモよりはムラサキフトモモという名の方が解りやすい。
 高さは10mほど。分枝が多く、樹冠が大きくなり過ぎて台風の被害を受けやすい。適宜枝抜きをすると良い。わりと整った形になるので民家の庭木としても使える。
 アルカリ性土壌を好む。花は5月から6月に開花するが、あまり目立たない。樹姿と果実が観賞対象となる。果実は9月から10月に黒紫色に熟し、生食できる。
 ちなみに、学名、
 ユーカリフトモモ Syzygium cumingii (L.) Alston
 フトモモ Syzygium jambos (L.) Alston
 ユーカリ Eucalyptus ***

 花

 実

 葉
 記:島乃ガジ丸 2008.9.29  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
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