ドラゴンフルーツ
 模合仲間のTが出向で長崎へと職場が変わった。女房も仕事を持っているので、彼は単身赴任の生活となった。もう5年以上も前のことになる。長崎から模合へ参加するのは大変だったせいか、しばらくして模合を抜けた。2年前に、単身赴任の寂しさを慰めようと模合仲間の数人で長崎を訪ねた。その時以来、ほとんど顔を合わすことも無かったTなのであったが、噂では昨年、仕事を辞め、沖縄に戻ってきたとのことである。そして、何やら秘密の仕事を始めようとしているらしい。
 聞けば、その秘密とは、ドラゴンフルーツを美味しくする栽培法を発見したということなのであった。確かに、ドラゴンフルーツは、さほど美味しいものとは言えない。あとほんの少し甘ければ、あるいはもう少しジューシーであれば、人気も出るだろうにと私も思っていた。Tの発見が確かであれば画期的なこと。沖縄の特産物がまた1つ増えるというもの。秘密にする必要は無かろう。世間に発表して、堂々と威張ればいいのだ。が、慎重派であるTは、まだ威張るには至っていない。事業が成功して十分儲けた後に、ある日突然、ロールスロイスかなんかに乗って、我々の前に現れるつもりなのかもしれない。

 ドラゴンフルーツ(竜果):果樹
 サボテン科の多年生多肉植物 原産分布は熱帯アメリカ 方言名:なし
 沖縄で栽培植物となったのは最近のこと。よって、私が参考にしているどの文献にも記載が無い。しかし日常ではよく目にし、たまには口にもする。数年前からはスーパーでも普通に見かけるようになった。私は丸ごと1個買って食したことは無い。不味いということはけして無いが、「食いたい!」と思うほどのものでも無いのだ。ネットで検索するといくつも出てくる。美容にもいいらしくて、まずまずの人気のようだ。
 販売されている果実には概ね2種あり、赤肉種は甘みがあって、白肉種は酸味が少し加わるらしい。収穫期は6月から11月。
 果実だけでなく、花も食料となるようだ。前にテレビの動物番組で、オオトカゲがサボテンの花をムシャムシャ食っているのを見たことがある。ドラゴンフルーツの名前はそこからきているのかと思っていたが、ネットの記事には、「果実の表皮が竜の鱗に見える」とか、「果実が竜の目玉に見える」とかあった。漢字の竜果は当て字、おそらく中国ではこのように書くのではないか。別名をピタヤという、これはおそらく現地の言葉かと。
 茎は30〜60センチごとに節ができ、そこから気根を出して、壁などに吸着し、伸びていく。いかにもサボテン科らしく乾燥に強くて沖縄の直射日光もへっちゃら。丈夫で育てやすいので、民家の庭先で栽培されているのもよく見かける。近所にもある。たくさんの花をつける。花は夜開く。夜出不精の私には、花の開いた写真は撮れていない。

 花 後日、半開きの写真が撮れた。

 実
 記:島乃ガジ丸 2005.10.29  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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