ブンタン
 もうだいぶ前、どのくらい前だったか思い出せないくらい前、15年とか20年とか25年とか30年くらい前、ザボンを頂き、食べたことがある。いつだったかは確定できないが、貰った相手はほぼ確定できる。おそらく鹿児島の友人N、彼が沖縄へ遊びに来た時に、土産として貰ったと思う。何故そう思うかと言うと、鹿児島はザボンの産地であり、鹿児島に友人はNしかなく、Nは何度も沖縄に来ているからである。
 ボンタン飴は子供の頃からよく目にし、口にもした馴染み深いお菓子だが、それがザボンを原材料としているということを、確かNから聞いている。また、ザボンはブンタンとも言い、鹿児島ではボンタンと言うってこともNから聞いている。
 ザボンが沖縄でも収穫できるということは、だいぶ前、どのくらい前だったか思い出せないが、Nからザボンを頂いた時よりは後に知った。収穫できるといっても経済的生産ができるまでには遠く及ばず、民家の庭にたまに見られる程度のもの。私もまだ、沖縄では2度しかお目にかかっていない。2度目はつい最近、去年の7月に見ている。去年のことであれば、写真を見れば思い出せる。首里の民家でお目にかかった。

 ブンタン(文旦):果樹
 ミカン科の常緑高木 アジア南部原産 方言名:チュークニブ、ボンタン
 ザボンとも言い、それが標準和名とのこと。広辞苑にはそうあったが、参考文献の一つ『沖縄園芸大百科』にはブンタンとあり、ザボンは別名となっていた。ザボンはポルトガル語のzamboaに由来するとのこと。同書にはブンタンという名の由来が詳しく書かれてあって、「清国の船が鹿児島に避難し、そのお礼に送られた、その時船の船長の名前が謝文旦だった」ということからブンタンという名前になったとのこと。なお、果肉が紅紫色の種もあり、それはウチムラサキと呼ぶともあった。その種はまだ見たことが無い。
 高さは3m以上になるようだが、私が見たものはちょうど3mくらいのもの。花は白色の5弁で大きく、開花期については初夏と広辞苑にあった。私は未確認。同じミカン科であるシークヮーサーやタンカンの花も5弁で白色なので、似ているのだろう。
 果実は球形で大きく、直径20センチほどにもなる。外皮が厚く果汁は少ない。食用となり、生食の他、菓子や砂糖漬けなどに利用される。葉も大きい。
 菓子と言えば、ボンタン飴がある。私が子供の頃よく目にした飴。「鹿児島県鹿児島市にあるセイカ食品株式会社が製造・販売する飴菓子の一種」とのこと。

 実
 記:島乃ガジ丸 2010.8.16  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
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