ユスラヤシ
 テレビを観なくなって7年を超えたが、それ以前もテレビはさほど観ていなかった。朝の時計代わりの「めざましテレビ」、昼飯時の「いいとも」、夕方からのニュースなどを観ていたが、それ以外ではあまり覚えていない。音楽番組やドラマの類はほとんど観ていない。バラエティー番組のいくつかは観ていた、そして、その頃既に私は十分オジサンだったが、子供向けアニメの「クレヨンしんちゃん」や「ちびまるこ」は観ていた。
 「ちびまるこ」はその主題歌も面白くてだいたい覚えている。
 何でもかんでもみんな 踊りを踊っているよ
 お鍋の中からボワーっとインチキおじさん登場・・・
 
 この歌の作詞者が漫画の原作者のさくらももこ氏と知って「すごい人だなぁ」と感心したことを覚えている。アニメの内容についても「面白ぇ」と感じていた。
     

 ユスラヤシを調べていると、「ゆすら」という単語があることを知った。詳しくは後述するが、「ゆすら」は漢字で桜桃と書く。桜桃、さくらもも。これを書いている(9月2日)数日前に、さくらももこ氏が亡くなったとニュースで聞いていた。
 9月2日、久々に、たまたま目に入ったというのではなく腰を据えてじっくりとテレビ番組を観た。日曜日午後6時から始まる番組、前半は邪魔が入ってよく観賞できなかったが、後半の葛篭(つづら)がどうのこうのという話はちゃんと観ることができた。まる子の父親がヒロシで、祖父がトモゾウであったことを思い出し、クラスの眼鏡の女の子が親友で、学級委員長が「ずばりそうでしょう」であったことなど思い出した。番組の最後にさくらももこ氏が亡くなったこと、彼女に対する感謝などがテロップとナレーションで流れた。多くの人に幸せを与えた人だと思う。感謝してピ−ヒャラピーヒャラ。

 樹木のユスラヤシとあまり関係ない話となったが、ゆすら→桜桃→さくらもも→ちびまる子と連想してしまった。「そうか、もう30年も前なのか」と考え深い。

 
 ユスラヤシ(桜桃椰子):街路・公園
 ヤシ科の常緑高木 オーストラリア原産 方言名:ヤーシ
 名前の由来、資料が無く不明。ユスラを桜桃と漢字表記しているのは私の勝手な想像。広辞苑でユスラと引いたら桜桃が出てきた。桜桃(ゆすら)は「ゆすらうめ」に同じとあり、「ゆすらうめ」は「バラ科の落葉低木・・・小球形の核果を結び、梅雨の頃紅熟、食用」とのこと。ユスラヤシも「実は赤熟する」とあり、図鑑の写真を見ると「小球形」なので、桜桃(ゆすらうめ)に似た実を着けるヤシとなったのではないだろうか。桜桃はまた字面も良い、桜と桃、さくらもも。実は、これを書いている数日前に漫画家のさくらももこ氏が亡くなったというニュースを聞いた。『ちびまるこ』、私も好きだった。
 さて、本種は単幹の直立性で高さ20mほどになる大型のヤシ。葉は長さ3mほど、葉梢は照りがあって美しい。花はクリーム色で開花期は3月から9月。果実は赤く熟す。沖縄には戦後に、台湾から種子が導入され各地に多く植栽されたとのこと。
 じつは、ユスラヤシとビンロウジュの違いが私にははっきり判らなくて、写真を見せられて「これはどっち?」と問われても自信持って答えることはできない。上の写真は2011年2月に海洋博公園で撮ったもの、根元に「ユスラヤシ」と名札があった。その近くに「ビンロウジュ」と名札のあるヤシもあったが、違いの判らぬ男であった。
 記:島乃ガジ丸 2018.9.3  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
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 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
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 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行
 『グリーン・ライブラリー』タイムライフブックス発行
 『ネイチャーガイド 琉球の樹木』大川智史・林将之著、株式会社文一総合出版発行
 『つる植物』沖縄都市環境研究会著 (有)沖縄出版発行
 『熱帯アジアの花』ウィリアム・ウォーレン著、チャールズ・イー・タトル出版発行
 『沖縄の薬草百科』多和田真淳・大田文子著、那覇出版社発行
 
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