シロガジュマル
 現在、従姉夫婦のヘンテコリンな形の別荘が建っている場所は、10年ほど前までは、まともな形の瓦葺平屋の小さな家が建っていた。そこには老人が一人で住んでいたらしいが、引っ越したか、施設に入ったかでいなくなり、しばらくの間空き家になっていた。
 敷地は従姉の亭主のもの。約100坪ある。老人が趣味でやっていた畑が、その半分ほどを占めていた。10年ほど前、従姉夫婦が別荘を建てるということになる。畑はほとんど残されたが、古い建物は取り壊された。
 古い家の周りに、高さ2mほどのベンジャミンが3本植えられてあった。高さ2mほどは、少なくとも私が初めて見た時から3、4年は経っていたが、ほとんど変わっていなかった。成長の速いベンジャミンがほとんど成長しないなんて珍しいこともあるもんだと私は思っていたが・・・。

 3本のベンジャミンは、従姉に頼まれた私の手によって移植された。敷地の西側から東側の、新しい建物と塀との間に移された。陽光の当たる時間はほとんど変わらないが、風当たりの弱い場所であった。その環境を、ベンジャミンが大好きだったのか、以後、ベンジャミンは3本ともすくすくと成長した。幹がぐんぐんと太り、背も伸びた。3、4年後には直径20センチ(移植したときは7、8センチ)、高さは6mほどになった。
 そのお陰で、従姉の亭主は毎年、ベンジャミン3本の剪定をしなければならないはめになる。大きく、多く枝を張るベンジャミンの剪定は1日がかりの大仕事となっている。

 シロガジュマル(白榕樹):公園・鉢物
 クワ科の常緑高木 原産分布は東南アジア 方言名:なし
 ガジュマルと同じクワ科ゴムノキ属でガジュマルに似ている。幹も葉も全体が白っぽいのでシロガジュマルという名前。ベンジャミンという名で園芸店に並んだりしているが、それは英名のbenjamin treeからきている。学名はFicus benjamina。
 耐陰性があるので観葉植物として利用される。鉢物としては高さ1mから2m程度のものをよく見かけるが、沖縄では地植えができ高さ10mにまでなる。好適環境である陽光地にあると成長も速く、枝もよく出て、傘状の樹形となる。若い枝は細く、下垂するためシダレガジュマルとの別名もある。成木は萌芽力が弱いので強剪定は避ける。

 大木の幹

 斑入り種

 斑入りの葉
 記:島乃ガジ丸 2005.11.29  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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