オキナワキョウチクトウ
 もう何年も前、記憶はおぼろげだが、たぶん20年くらいも前、現場仕事をして、昼飯時間、近くの公園で同僚たちと弁当を食っていた。白い花を多く咲かせている大きな木の下、横広がりの樹形が涼しい木陰を作っているその下でお昼時間を過ごした。
 「ミーフックヮーは花にも毒があるって聞いたけど。」とTKさん、
 「そうかぁ、それは、俺は知らないなぁ。」とOSさん、
 「実験してみようか」、「そうだな」と二人が相談して、私が実験台となった。・・・なんてことは無い。ただ、彼らの話から、涼しい木陰を作っている木がミーフックヮーという方言名、和名オキナワキョウチクトウで、樹液に毒があるということを知った。

 そんな昔から知っているオキナワキョウチクトウ、しかも、私が散歩する公園の多くにあって、何度も目にしていて、6年前の2005年の夏には写真も撮っているオキナワキョウチクトウ、当然、紹介済みだと思っていた。が、ガジ丸の『沖縄の草木』の目次にオキナワキョウチクトウが無い。当然済んでいる、と思い込んでしまっていたようだ。
 ちなみに、オキナワキョウチクトウの花に毒は無いようである。だからといって、食用とはならない。大きな果実も、毒があるかどうか不明だが、食用とはならないようだ。

 オキナワキョウチクトウ(沖縄夾竹桃):公園・防風林
 キョウチクトウ科の常緑高木 原産分布は南西諸島、他 方言名:ミーフックヮー
 名前の由来、オキナワは南西諸島に分布するからであろうが、キョウチクトウについては資料が無く不明。夾竹桃という字は広辞苑にあった。夾は「はさむ」という意味、葉が竹、花が桃に似て、花が葉に挟まれているように見えるから、かもしれない。
 和名にはミフクラギ(目膨木)との別称もある。それは、方言名のミーフックヮーを和訳したものだと思われる。ミーフックヮーについてはいくつかの文献に説明があった。樹液に毒があり、その毒が目につくと、目が膨れるところからきているとのこと。
 花は白色で数個ずつまとまって付き、よく目立つ。開花期は5月から10月。卵形で卵大の果実も多く付き、1月から3月に赤く熟し、よく目立つ。
 高さは10mほどになる。樹形は自然に整って良い形、白いきれいな花が咲く、そういった長所があっても、毒があるという理由から民家の庭には使い辛い。毒はあっても街路樹にはよく使われる。特に海岸沿いの道路でよく見かける。潮風に強いというというもう一つの長所があって、きれいな樹形ときれいな花が、そこで活かされている。

 花

 実
 記:島乃ガジ丸 2011.5.15  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
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