ハスノハギリ |
近所、家から徒歩5分程度の場所にハスノハギリがある。「そうではないか?」と気付いたのは4、5年前で、「そうに違いない」と思ったのは2年前、2008年の夏。葉の形から「そうではないか?」で、花を見て「そうに違いない」となった。 その時、花の写真を撮ったが、ハスノハギリの花はそう目立たない。ハスノハギリはその実が面白い形をしている。「紹介するのは実の写真を撮ってから」となる。 「花が咲けば実も付くだろう。」と、2008年の秋以降、同じ場所へ何度か確認しに行った。しかし、実が付いているのを見ることはできなかった。実どころか、花も見せてくれなかった。そこのハスノハギリは年々元気がなくなっているようであった。 ハスノハギリのある場所はマンションの駐車場で、道路沿いに5本、大きな植木鉢に植えられいた。大きな植木鉢といっても、成長が速く、大木になるハスノハギリにとっては小さ過ぎたのかもしれない。で、実が付かない、花も咲かない、何年経っても同じ高さに留まって、しだいに元気が無くなっているように見えたのかもしれない。 去年今年と、そのマンションを訪ねていなくて、その後、ハスノハギリがどうなったか不明。今年(2011年)2月、海洋博公園を訪れた際、たくさんの実が付いたハスノハギリを見つけた。なので、マンションのハスノハギリはどうでもよくなった。 ハスノハギリ(蓮の葉桐):景観、防潮風 ハスノハギリ科の常緑高木 奄美以南、東南アジア、他に分布 方言名:トゥカナチ 名前の由来、葉の形がハスの葉に似ているからハスノハ(蓮の葉)というのは解るが、キリ(桐)が不明。キリはゴマノハグサ科の落葉高木、どこかが似ているのかもしれないが、沖縄にキリは無く、私は見たことが無いので、どこが似ているかも不明。 方言名はトゥカナチの他、トカナチ、トゥヌチ、ウンブギ、アカシタなど多くあって、沖縄では古くから親しまれてきたようである。なお、方言名の意味はいずれも不明。 高さ20mに達する。萌芽力が強いので、剪定し形を整えることができる。ただし、切口が腐り易いので、太い枝の切り口は防腐処理が必要とのこと。大木になるので民家の庭には使いにくいが、耐潮、耐風性が強く、防潮風林として利用される。 花は白色、小さく目立たない。乳白色、または薄紅色に熟す大きな実が目立つ。結実期は10月から6月。材は器具や下駄などに利用、種子や若葉は下剤になるとのこと。 花 実 |
記:島乃ガジ丸 2011.5.24 ガジ丸ホーム 沖縄の草木 |
参考文献 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行 |