テリハマンデカズラ
 半年ほど前(9月か10月頃)に、散歩の途中で朝顔形の、白いきれいな花の咲いている植物を発見し、写真を撮った。写真は、その時夕方で薄暗かったので、そして、まだ、その頃は性能の悪い旧デジカメを使っていたので写りが悪かった。それでも文献の写真と照らし合わせて、その植物がテリハマンデカズラという名前であることが判明した。判明はしたが、写真写りが悪いので、その紹介は棚上げとなる。
 その1、2ヵ月後、八重山スケッチの旅でテリハマンデカズラを発見する。テリハマンデカズラはその時そこでも、白いきれいな花をたくさん咲かせていた。写真を撮る。その頃も旧デジカメであったが、よく晴れた昼間の写真なので、鮮明に撮れた。首里で撮ったものと同じ植物であることには間違いない。しかし、その紹介はまたも棚上げとなる。
 文献を読むと、もしかしたらこれはテリハマンデカズラでは無いかも、と疑うような記述があったからだ。文献には、「栽培がむつかしい上に、花付が少ないためか、最近は愛好者が少なくなりました」とあった。また、花色が「淡い紅色」とあり、開花期が「5月から6月」ともあった。首里のものも武富島のものもよく育っていたぞ、花色は白だぞ、9月から11月に咲いていたぞ、ということで、別の種なのかもしれないと思ったのであった。しかしまあ、別種なのかもしれないが、そう離れた種ではなかろう。園芸的な品種の違いであろう。写真を見る限りでは、葉も花もほとんど同じといってもいい。園芸的品種の違いだけなら、同じものとしても良かろう。ウチナーンチュはそれを許す。

 テリハマンデカズラ(照葉まんで葛):フェンス・パーゴラ・鉢物
 キョウチクトウ科の常緑半蔓性植物 ペルーからブラジルに分布 方言名:なし
 マンデカズラのマンデは属名のマンデビイラ(Mandevilla)からきている。蔓性なのでカズラとつく。テリハは照り葉ということ。その通り葉には照りがある。本種もマンデビイラと同じく、昔はディプラディニアという名で売られていた。
 先に紹介した同属のマンデビイラは和名をマンデカズラといい、花の形は同じくロート状であるが、マンデビイラの花色が濃紅色であるのに対し、本種は白(または淡い紅色)となっている。開花期は5月から6月と文献にあったが、私は11月の八重山で、まるで今が盛りとばかりに咲いているのを見ている。マンデカズラの葉にも照りがあるが、葉脈が浮き上がってゴツゴツした感じ。本種の葉はすべすべで、さらに照り輝いている。
 陽光地を好む。半蔓性なのでフェンス、パーゴラに這わせる他、添景にも使える。
 記:島乃ガジ丸 2006.3.27  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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