テリハイカダカズラ
 テリハイカダカズラは、長く延びた枝先に花をつける外国産の他のイカダカズラ属と違い、短い枝にも花をつける。つまり、刈り込んだ後で、刈り込んだ形に近い形のままで花をつける。また、その蔓枝の伸び方も比較的遅いため、外国産に比べ管理がしやすい。
 ということを知ったのは、10年以上も前、親戚の店の庭に外国産のイカダカズラを生垣として植えてから何年か経ってからだった。その時はもはや手遅れだった。蔓枝が壁伝いに伸びていき2階の屋根まで到達。6本植えた内、最も太い幹は直径10cm以上となっていた。
 外国産のイカダカズラの色はピンクとオレンジ。色はきれいなんだが、枝がまあ、伸びること伸びること。近所から苦情が出るので、2ヶ月に1回は剪定を必要とする。在来種(テリハイカダカズラ)の方は棘も小さいのだが、外国産はまた棘も恐ろしくでっかい。気をつけてはいても必ず腕や手に数箇所傷をこさえてしまう。毎回、血を流しながらの剪定作業となっている。
 在来種(テリハイカダカズラ)の方が良いということを聞いて、その庭の別の面に生垣として4本植えた。それから5、6年が過ぎた。テリハイカダカズラはかわいい。やさしく伸びて、蔓枝もあまり太らずに、それでも花は咲かせてくれる。まだ、高さ1.2mのままでいる。

 テリハイカダカズラ(照葉筏葛):フェンス・パーゴラ
 オシロイバナ科の常緑蔓植物 原産地はブラジル 方言名:無し
 イカダカズラって何だ、と思ったかもしれないが、ブーゲンビレアのこと。ブーゲンビレアは学名の属名で、和名はオシロイバナ科イカダカズラ属となっている。本種は最も古くから沖縄で栽培されていた種で、苞(花を包んでいる葉の変化したもの。花は目立たない)の色は紫〜赤紫、徒長枝も少なく、短い枝への花付きも良いので民家の庭でも使いやすい。生垣などにも良い。
 ブーゲンビレアには多くの園芸品種があり、苞の色も赤、桃、橙、白などある。いずれも花期は9月から5月、夏の盛りには花をあまりつけない。今の時期からがきれい。
 夏の直射日光はきついのかもしれないが、基本的には日当りの良い場所を好む。特に西日を受けると花つきが良いと聞いている。親戚の庭のテリハイカダカズラは東向きのせいと日射量が足りないせいでか、花つきの量は少なめ。それは、"奥ゆかしい"ということにしておこう。

 記:島乃ガジ丸 2004.12.3  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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