ルコウソウ
 週末の散歩、雨が降っていなければほぼ毎週やっている。冬場は2時間以上、時には4、5時間も歩いて、首里石嶺から那覇新都心方面や、逆方向の浦添市、宜野湾市辺りまで行ったりする。のんびりと景色を眺めながら、知らない道を歩くのは気分がいい。
 夏場の散歩はちょっと・・・じゃなく、たくさん違う。先ず、歩き方が違う。夏場はダラダラ歩く。通り道にスーパーなどがあった場合は、買い物が無くても中に入ることがある。クーラーの中で少し休んだりするのだ。したがって、同じ2時間の散歩でも、冬と夏ではその距離が違う。もちろん、夏場の散歩は距離が短い。夏の散歩はまた、空をあまり見上げない。足元の自分の影を見ながら歩くことが多い。それでも、ときおり見慣れぬ花を発見したり、花の匂いを感じたりする楽しみはある。

 ルコウソウの写真は3年前の6月、テクテクと沖縄国際大学まで歩いた時に撮った写真。3年前は、散歩の習慣を始めた頃で、まだ元気だったようだ。沖縄国際大学といえば片道だけで1時間半かそれ以上はかかる距離。夏本番では無いが、沖縄の6月はもう既に暑い。よく覚えてはいないが、きっとその時もたっぷりの汗をかいたに違いない。
 そんな苦労しての写真だったが、パソコンのどのフォルダに入れたかを忘れていて、しばらく行方不明となっていた。ある日、旧パソコンから新パソコンへデータの移動をする際に偶然発見する。しかしながら、のんきなオジサンなのである。それがルコウソウという名の植物であることが判明したのは、それからなお、数週間経ってからのこと。

 ルコウソウ(縷紅草・留紅草):フェンス・地被
 ヒルガオ科の蔓性一年生草本。 メキシコ原産 方言名:なし
 漢字の「縷」は「いとのように細長くつらなるさま」という意味がある。ルコウソウの蔓は糸のように細く、そして長く伸びる。代表的な花の色は赤。よって縷紅草。
 一年生草本なので、常にそこに緑が欲しいところには向かない。期間(半年ほど)限定の壁面の花、あるいは棚仕立ての花として楽しむ。いわば、アサガオと同じような楽しみ方となるが、アサガオよりはずっと、花の期間が長い。
 細い蔓がフェンスなどに絡まって広がる。小さなかわいい花は品種によって赤、白、黄色などの色がある。開花期は春から秋。薄く小さな葉も涼しげ。
 記:島乃ガジ丸 2005.8.28  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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