マイソルヤハズカズラ |
記憶力の弱い私だが、まだ実物には出会っていないけど図鑑を見て覚えている植物もいくつかある。マイソルヤハズカズラもその一つ。何故覚えているかって?本種は特徴があるからだ。花房が50〜100センチもあり藤のように垂れ下がる。その房に花が多くつき、花の一つ一つもまあまあ大きい。花は黄色でそれを包む苞は鮮やかな赤褐色、それがよく目立つ。花の形も独特。これだけ特徴があれば、いかな私でも記憶に残る。 マイソルヤハズカズラという名前も覚えやすい。マイソルって何のこと?なのだが、「私の剃る」という名前の髭剃りと覚えた。ヤハズカズラはその名の同属植物があり、同じく同属のベンガルヤハズカズラと共に何度も見ていてよく知っている。 図鑑の写真でその姿を覚えており、名前も覚えている。花は特徴がある。見ればそれとすぐに判るはず。だけど、長い間紹介出来なかった。出会えなかったのだ。 今年(2012年)の6月、辺野古、高江のテント村激励に出かけた。その帰りに立ち寄った東村の「山と水の博物館」、そこのパーゴラに目立つ花を満開にさせている房がいくつも垂れ下がっていた。「あー、あんただよね。」と呟いた。 マイソルヤハズカズラ(まいそる矢筈蔓):パーゴラ キツネノマゴ科の常緑蔓性多年草 インド南部原産 方言名:なし 名前の由来は資料が無く不明。ヤハズカズラは既に紹介済みで、矢筈は「矢の上端の、弓の弦を受ける部分」(広辞苑)のことで、葉の形がその矢筈に似ているからその名がある。蔓性だからカズラとつく。マイソルは学名のmysorensisから来ていると思われるが、マイソルはMysore(マイソール)と書いて「インド南部の都市」(広辞苑)のこと。本種はインド原産で、マイソール地方に多いからということかもしれない。 花序がフジのように長く垂れ下がるので棚作りに向く。その花序は50〜100センチの長さになり見事な景色となる。その花序に花が連なって多くつく。花の黄色と苞の赤褐色の対照が美しく、開花期は3月から10月。ベンガルヤハズカズラも同じ仲間。 ちなみに学名は、 マイソルヤハズカズラ Thunbergia mysorensis T. Anders. ヤハズカズラ Thunbergia alata Bojer ベンガルヤハズカズラ Thunbergia grandiflora Roxb. 花 |
記:島乃ガジ丸 2012.12.1 ガジ丸ホーム 沖縄の草木 |
参考文献 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行 |