コウシュンカズラ
 先日、若いMの要請で午後から現場に出ることになった。写真撮影の助手ということなので肉体労働ではない。楽で、時間にも余裕があるだろうと思い、ガジ丸用の写真を撮ろうと、私もまた私愛用のバカチョンデジカメ3倍ズーム付を持っていく。
 助手席に乗ってから行き先を聞く。現場は、会社からごく近いところで、残念ながらガジ丸にまだ載せていない草木の写真を撮れる可能性は低い。ところが、そこにサガリバナの木が街路樹として植えられてあった。私が知っているサガリバナの在る場所は2箇所、家から車で15分の公園と20分くらいのところにある民家であった。こんな近くにサガリバナがあったかと驚くと同時に、喜んだ。今年はサガリバナのいい写真が撮れる。
 沖縄の花で、歌にも歌われている有名なイジュの花、時期は5月から6月。旬はもうすぐ終わってしまうのに写真を撮りに行っていない。イジュの木がどこに行けば見られるのかを私は知っている。家から車で1時間ほどの場所にある。その往復2時間余が作れなくて、あるいは時間のあるときは雨が降っていて、撮りに行けないままでいるのだ。

 週末の散歩を習慣にしてから3年ほどになるが、そのお陰で、家から徒歩片道30分以内の範囲であればおおよそ、どこに何があるかを知るようになった(サガリバナは気付かなかったが)。徒歩10分ほどの場所に、そこは民家だが、道路沿いのフェンスにコウシュンカズラが絡み付いて、毎年きれいな花を咲かせている。徒歩10分なので、それを撮りに行くのはわけの無いことであった。行った日は、幸運なことにほぼ満開であった。
 コウシュンカズラへの途中にトックリランの大木が民家の庭にあることも知っていて、その花が先週、満開に咲いているのを見た。私は友人宅へ向かう車の中、しかも大雨が降っていたので写真を撮ることはできなかった。梅雨の時期はこういうことが多い。コウシュンカズラの場合は、たまたま私が休みの日で、たまたまその日雨が降っていなかったという幸運が重なった。幸薄い私にも、たまにはこういった幸運があるってわけだ

 コウシュンカズラ(恒春葛):フェンス・パーゴラ
 キントラノオ科の常緑蔓植物 原産分布は房総半島以南、沖縄、他 方言名:無し。
 茎が細いものに巻きついて広がる。成長は速いが、萌芽力があるので適宜剪定して形を整える。花もきれいだが、よく茂る葉も壁面を覆い涼しげな様子を見せる。
 伸びた枝先に鮮やかな黄色の花をまとまってつける。春になると次から次と花を咲かせ、目を楽しませてくれる。開花期は4月から12月。陽光地で花付きが良い。

 花
 記:島乃ガジ丸 2005.6.26  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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