ヒメノウゼンカズラ
 友人のHが吐く。「いやー、飲みすぎて」・・・では無い。H”画伯”である。彼のホームページがやっと立ち上がった。「ホームページを作りたい」と言ってパソコンを購入してから2年半近くが経って、やっとなのである。いやー、長かった。
 彼がパソコンを買ってから半年ばかりは、週に一回彼の店に行きパソコンの初歩を教えていたが、半年経っても、爪の先ほども進歩しない彼に愛想を尽かし、以降、教えるということを止めた。進歩が無いのは、私が教えると言われた通りするが、その後、自習しないからである。私から見れば、覚えようとしない、のである。彼はもちろん、覚えたくないのでは無い。自分の脳味噌がまだ若い頃と同じだと思っているのである。週一回チョコチョコやれば何とかなると思っているのである。「あんた、それは違いまっせ、我々の脳味噌は衰えていますぜ」と私は言いたいのである。
 Hに愛想を尽かした私であるが、腐っても親友である。今でも毎週土曜日、彼の店に通って、パソコン関連、HP関連などのアドバイスはしている。

 彼の店の前にはいろいろな草木が植えられている。女房のE子が園芸好きで、彼女がそれらを植え、管理をしている。彼女が植えた草木の中には私の知らない植物がいくつかあって、その花の咲いた頃に写真を撮っている。で、E子にその名前を訊く。彼女は、自ら園芸店に通って植物を買ってきたのにも関わらず、その植物の名前をほとんど覚えていない。彼女もまた、自分の脳の衰えを自覚できずにいるのだ。メモを取ろうとしないのだ。まあ、いいけどね。そんなこと覚えなくても二人は幸せだからね。
 私の知らない植物で、彼女もその名前を覚えていなかった中に、蔓性の植物で、面白い形の花を咲かしているものがあった。写真を撮って調べた。

 ヒメノウゼンカズラ(姫凌霄蔓):フェンス物
 ノウゼンカズラ科の常緑半蔓性植物 原産分布は南アフリカ 方言名:なし
 全体がノウゼンカズラより小さいのでヒメ(姫)がついてヒメノウゼンカズラ。なのではあるが、両者は属が違う。ノウゼンカズラはノウゼンカズラ(Campsis)属で、ヒメノウゼンカズラはヒメノウゼンカズラ(Tecomaria)属。見た目もそう似ているとは、私には思えない。特に花の形からはヒメノウゼンカズラを見て、ノウゼンカズラという名前はまったく思いつかなかった。園芸店ではテコマリアという名で鉢物となっている。
 高さは2mほど。根元から多く枝分かれし横に広がる。枝は細く、その先は半蔓状となる。花は枝の先端にまとまってつく。長さ5センチていどの筒状花で、鳥の雛が嘴を大きく上下に開いていて、舌(雄しべ)を出しているように見える。
 基本種(Tecomaria caoensis Spach)は紅色の花であるが、他に赤橙、橙色の種もある。写真のものは園芸品種のアウレア(Tecomaria caoensis cv.Aurea)で、和名でいうキバナヒメノウゼンは、おそらくこれを指していると思われる。開花期は周年。
 日当りを好むので、日除けとしてフェンスに絡ませるのに適する。また、強剪定に耐えるので形が作りやすく、生垣としても利用できる。

 花

 黄花種
 記:島乃ガジ丸 2006.5.28  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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