ハゴロモジャスミン
 週に1回、概ね週末に友人Hの店を訪れている。店のパソコンを借りて、メールチェックなどをやっている。店にはだいたい1〜2時間程度滞在しているが、パソコン作業は15〜30分で済む。残りの時間はユンタク(おしゃべり)タイムである。
 Hの店は、私の家から車で10分程度の距離で、H邸で飲み会をやる場合を除いては車で通っている。車を運転する際、私は車の運転に集中している。周りの景色にも目をやっているが、意識の多くは運転なので、見知らぬ花に気付くことはあまり無い。ところがある日、具体的に言うと、2010年3月2日の午後4時、Hの店から家に帰る途中の、上り坂の細い道を走っていたら、見知らぬ花が咲いているのに気付いた。
 何故気付いたか?・・・咲きっぷりが見事だったから。民家の道沿いのフェンス一面を白い花が覆っていた。車を停めて、写真を撮った。
 図鑑で見たような記憶のある花であった。他の参考文献には無い、園芸種も多く載せてあるA図鑑かB図鑑のどちらかだと思って先ず、A図鑑を見る。あった。ハゴロモジャスミンだ。ちなみに、後日、B図鑑を見たら、それにも載っていた。

 ハゴロモジャスミン(羽衣耶悉茗):フェンス
 モクセイ科の常緑蔓性木本 中国南部原産 方言名:なし
 名前の由来、ハゴロモについては不明。白い花が一面を覆うことから、これをハゴロモとどこかの誰かが名付けたものであろう。ジャスミンはジャスミンの仲間なので。
 ジャスミンを広辞苑で引くと、「耶悉茗・素馨」と2つの漢字表記がある。耶悉茗は中国語音訳で、素馨(そけい)はジャスミンの漢名。で、ジャスミンは「モクセイ科ジャスミナム(ソケイ)属の植物200種以上の総称。」とのこと。
 細いツルが多く分枝し、フェンスなどに絡んで広がる。ツルの先に花数30〜40個の円錐花序を付け、盛りには一面が花に覆われる景色になる。花の蕾は紅色、開いた花弁は白色。開花期は2〜4月。ジャスミンらしく、強い芳香がある。
 ちなみに学名はJasminum polyanthum

 花
 記:島乃ガジ丸 2010.4.29  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
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