ベニガククサギ
 3月の初め、春先という季節に、若い女が隣の部屋に越してきた。4ヶ月以上経った今でも彼女が何の仕事をしているのか分からない。「夏深し、隣は何をする人ぞ」なのである。
 今は二人ともリタイヤしているが、大家さん夫婦がそれぞれどんな仕事をしていたかは知っている。が、近所の人々の職業が何であるかを私はほとんど知らない。何者であるか、をほとんど知らない近所の人々ではあるが、悪い人はいなさそうである。近所で何らかのトラブルがあったことは、この11年間で1度も無い。
 近所の人々の中には庭弄りの好きな人も何人かいて、時々、庭手入れをしている姿を見かける。近所の家のほとんどに庭があり、たくさんの植物が植えられてある。私の知らない植物も多くある。既に紹介済みだが、カオリカズラもその一つ、そして、カオリカズラのある家の隣の家には、また、私の見たことの無いツル植物がブロック塀の上を這っていた。それも写真に撮って、後日、調べる。これは、判明するのに時間がかかった。
 写真を撮ってからすぐには調べなかったのは、撮った写真が不鮮明だったからである。ならばすぐにもう一度写真を撮ればいいのだが、そのうちそのうちと思っているうちに忘れてしまい、今は、もうその植物自体がなくなってしまっている。だからといって、「花の命は短い、チャンスは逃すな」などと私が思うことは無い。のんびりが健康の素。

 ベニガククサギ(紅萼臭木):壁面・鉢物
 クマツヅラ科の常緑蔓植物 園芸品種 方言名:なし
 顎片が淡紅色をしているからベニガククサギという名。ゲンペイクサギとベニゲンペイカズラとの交配種。ゲンペイクサギとベニゲンペイカズラは同属。同属には他に、イボタクサギ、ヒギリ、シマヒギリなどがある。学名はClerodendrum × speciosum Dombr.
 枝先にかたまって咲く花は紅色、がく片は白色から淡紅色。開花期は6月から9月。
 陽光地を好む。庭ではパーゴラやフェンスに絡ませたりして楽しめる。強剪定に耐えるので整形できる。鉢物としてもよく利用される。

 花

 ついでに、
 ベニゲンペイカズラ(紅源平蔓):壁面・鉢物
 クマツヅラ科の常緑蔓植物 原産分布は熱帯アメリカ 方言名:無し
 ゲンペイクサギに似ているが、花は鮮紅、または濃桃色。ベニガククサギに比べると顎片が小さく花冠が大きい。葉もいくぶん大きめ。開花期は周年。
 学名はClerodendrum splendens G.Don.
 記:島乃ガジ丸 2005.7.16  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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