トキワツユクサ |
先月の四国の旅で、松山にある山頭火の晩年の住まい「一草庵」を訪ねた。一草庵の、その名に似合わないアルミ製の門扉は閉じられてあったが、「勝手にお入りください」と書かれてある看板も無かったのだが、扉を開けて、勝手に入った。 建物の周りをぐるりする。裏手の、あまり手入れがなされてない花壇のような場所に、ずっと探していた植物を見つけた。ツユクサである。 ツユクサは、ツユクサ科のツユクサである。ツユクサ科の代表みたいなものである。ぜひ紹介しなければと、前に同じ仲間のホウライツユクサを紹介した時から思っていた。ところが、私の生活する周辺にツユクサが見つからない。一草庵で偶然ツユクサを発見したのだが、ホウライツユクサを紹介してから1年が経っていた。 今週、この頁の2種と別頁のハカタガラクサを合わせ、ツユクサ科を3種紹介しているが、それぞれ属が違う。 ツユクサCommelina communis トキワツユクサTradescantia fluminensis ハカタガラクサZebrina pendula Schnizl 既に紹介済みのツユクサ科2種(雑草扱い)はツユクサと同属。→記事(ツユクサ類) ホウライツユクサCommelina auriculata Bl. シマツユクサCommelina diffusa Burm.f. トキワツユクサ(常盤露草):地被・観賞用鉢物 ツユクサ科の一年草 南アメリカ原産 方言名:なし 参考にしているどの文献にも記載が無く、私も見たことは無いので、沖縄に自生は無いと思われる。写真は一草庵(山頭火の終の棲家)にツユクサと同じ場所にあったもの。 別名をノハカタカラクサというらしい。野と付くと、ハカタガラクサより野生的なという意味に取れるが、葉にハカタガラクサのような模様が無く、観賞価値が低いということなのかもしれない。でも、花はこっちがきれい、だと私は思う。 元々は園芸植物として導入されたようだが、後に野生化して野原道端で普通に見られるようになった。茎の節から根を出し、横に広がっていく。花色は白、5〜7月に咲く。 花 |
記:島乃ガジ丸 2006.7.31 ガジ丸ホーム 沖縄の草木 |
参考文献 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行 |