ショウジョウソウ
 植物の特性などを調べるために参考にしている文献(下記参照)には、開花期の書かれているものもある。私の植物説明にある「開花期は○月から○月」というのは、それらの文献にあるものを参考にして、ほぼその通りの記述となっている。しかしながら、実際には、その開花期の期間中では無い時期に咲いているのを私は多く見ている。
 ショウジョウソウもその一つ。文献には「開花期は6月から9月」とあったが、私が見たのは、11月の竹富島、そして、12月の沖縄島宜野湾市。おそらく、開花期というものは「概ね」ということなのだろう。場所によって、あるいはその年によって、いくらか変化するものなのであろう。12月は記録的な寒さとなった沖縄だが、それまではまた、記録的な暖かさだった。ショウジョウソウにとっても今年は、いつもとは違う年なのであろう。まだ咲いてていいのかなーと思いつつ、咲き続けていたのだろう。
 そういえば、今回別項で紹介するハナシュクシャもまた、「開花期は7月から10月」と文献にあるが、私が見て、写真に撮ったのは12月のもの。自然は自然、人間が思う通りには一から百まで動かないということである。頼もしく感じる。

 ショウジョウソウ(猩猩草):花壇
 トウダイグサ科の多年草 原産分布はブラジル 方言名:アカバナギー
 今時(12月)、花屋の店先に多く並ぶポインセチアと同属で、似ている。ポインセチアの和名はショウジョウボクと言い、本種は草本性なのでショウジョウソウという名。花が赤いわけではないが、方言名のアカバナギーは紅花木という意味。
 黄色い花は小さく、あまり目立たない。ポインセチアと同じように枝先5、6枚の葉が鑑賞の対象となっている。ポインセチアは葉全体が変色するが、本種は葉の基部だけが変わる。また、ポインセチアは鮮やかな赤色となるが、本種は橙色の混ざった薄い紅色。開花期とともに葉も変色する。開花期は6月から9月。
 高さは50センチ。茎や葉から出る乳汁は有毒で、触れると炎症を起こすとのこと。

 花
 記:島乃ガジ丸 2005.12.26  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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