シャコバサボテン
 シャコバサボテン、クリスマスカクタスという名前で知っている人も多かろう。クリスマスの時期に花が咲くのでその名がある。実は、クリスマスカクタスの記事は書きかけてあった。「クリスマスと名のつく植物を文献で探したら、2つあった。クリスマスローズとクリスマスカクタス。クリスマスカクタスはよく知っている。和名のシャコバサボテンでも知っていて、沖縄でもよく見かける。・・・クリスマスカクタスの写真は、撮ろうと思えば園芸店に行って撮れるのだが、まだ撮っていない。よって、これは次回(たぶん今年の年末)に紹介しましょう。」と書いてセツブンソウ(クリスマスローズ)を紹介したのは2007年1月のこと。その後すぐに、クリスマスカクタスを調べ、その記事の冒頭は書いてあったのだ。それから約4年経った。まるっきり忘れていた。
 実は、「クリスマスカクタスの写真は、撮ろうと思えば園芸店に行って撮れる」と思っていたのだが、今回、何軒かの園芸店を見て回ったが、どこにも無かった。もしかしたらクリスマスカクタスはクリスマスの花としての人気を失くしたのかもしれない。ということは、2007年から2009年のクリスマスの時期にも無くて、それで、クリスマスカクタスのことを私が思い出せなかったのかもしれない。

 20年ほど前、私は観葉植物に興味があって、シャコバサボテンのこともその頃に知っている。シャコバサボテンに似たカニバサボテンも知っている。知ってはいるが、両者並べて、どれがどっちかを判断できないかもしれない。子供の頃から私はそういう性質なのだが、ものごとを細かく観察する能力に欠けている。さらに、その頃どっちがどれか判断できたとしても、既に忘れている。記憶力が弱いということも私の性質だ。

 シャコバサボテン(蝦蛄葉仙人掌):鉢物・盆栽
 サボテン科の多年草 南アメリカ原産 方言名:ガニラン
 シャコ(蝦蛄)はシャコ目の甲殻類で海に住む動物、本種の葉の形がシャコの体の形に似ているところからその名がつく。サボテンはサボテン科の常緑多年草で、本種もその一種。サボテンという名は、「石鹸の意のポルトガル語のサボと「手」との合成語」(広辞苑)とのことだが、「石鹸の意」は、サボテンの液が石鹸の代用となったから。
 方言名のガニランはカニ(蟹)蘭という意味。ラン科では無いが、花がきれいなのでランと付いたのだと思われる。カニはシャコと同様葉の形から。葉の形をシャコに見立てたか、カニに見立てたかの違い。和名でカニバサボテンという種もある。サボテン科の多年草でブラジル原産。本種とよく似ている。沖縄ではどちらもガニラン。
 カニバサボテンに比べると茎節が角張っている。園芸品種がいろいろあり、花色は赤、桃など。開花期は11月から12月。11月から12月に開花することからクリスマスカクタスという別名もあり、その時期、その名で園芸店でよく見かけた。ちなみに、カニバサボテンの別名はイースターカクタス、イースターは復活祭、開花期は1〜2月。
 なお、写真はシャコバサボテンの交配種で、デンマークカクタスという名。

 花
 記:島乃ガジ丸 2010.12.16  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
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