リュウゼツラン
 リュウゼツラン科アガベ(リュウゼツラン)属(アオノリュウゼツラン等)の植物から採れる樹液を発酵させて酒を作る。これは醸造酒でプルケと呼ばれる。プルケを蒸留したものをメスカルと言い、泡盛と同じ蒸留酒となる。プルケは濁り酒でメスカルは透明。アルコール度数も蒸留酒になるとぐっと高くなり、だいたい40度くらい。酒好きの人ならよくご存知のテキーラは、そのメスカルの一種。
 テキーラは元々地名で、そこで栽培されているある特定のリュウゼツランから作られたメスカルを特にテキーラ(最初はただの商品名だったと思う)と呼び、それが50年ほど前にヒットしたジャズナンバー「テキーラ」で有名となり、メキシコオリンピック以降、日本にも広く知られるようになる。塩を舐めながら、あるいはレモンを舐めながらグイっと流し込む、なんて場面が西部劇映画などで見られた。
 ここ数年ご無沙汰しているが、酒好きである私なので当然、テキーラもたくさん飲んでいる。しかしながら、テキーラ大好きの人には怒られそうだが、テキーラはアルコールの味と匂いがしたとしか覚えていない。身贔屓かもしれないが、同じ蒸留酒なら断然、泡盛の方が良いのである。今流行の芋焼酎なんかよりもずっと泡盛の方が好きである。

 リュウゼツラン(竜舌蘭):添景
 リュウゼツラン科の常緑多年草 原産分布はメキシコ 方言名:なし
 名前は、葉の形を竜の舌に見立てて竜舌蘭、ということであろう。この種に方言名はついていないが、同属のアオノリュウゼツランには方言名がある。じつは、一般にリュゼツランと呼ばれる植物はアオノリュウゼツランから生まれた園芸品種で、斑入りのリュウゼツランも含め、アオノリュウゼツランが本家本元。で、方言名もあるのだろう。
 葉の長さは1mほど、多肉質で、縁や先端には棘がある。葉は地面から放射状に出て、茎を形成しない。よって、高さも1mほど。株の中央から長い花茎を出して上部に花をつける。写真で見ると、花茎だけで1本の木に見える。花は淡黄色で多数つける(私は見たことが無い)が、開花には10〜20年を要し、開花すると、結実後枯死するとのこと。
 他の多肉性のリュウゼツラン科植物同様、乾燥に強い。真夏の直射日光も平気で、潮風にも強い丈夫な植物。メキシコの酒テキーラの原料。葉からは繊維が採れる。

 フイリリュウゼツラン
 記:島乃ガジ丸 2006.2.13  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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