リュウキュウヒキノカサ
 冬の食卓に鍋料理は欠かせない。鍋料理に欠かせない野菜にダイコンとハクサイがあるが、この冬、鍋料理は何日もあったが、ダイコンとハクサイを食った回数は少ない。私の畑ではダイコンは売ろうと思って1畝分種播きしたが、虫に食われ10センチばかりのごく小さいものが2本採れただけ、ハクサイは自家消費用に2株植えたが、表の葉の多くが虫に食われ、1株で1人分しかない量であった。2株は2回分の鍋で終わった。
 畑から収穫できず、八百屋からそれらを買うのは農夫(見習いといえど)として悔しいので、少なくともこの冬、少なくとも生の(レトルトのおでん、漬けもののハクサイなどは数度買っている)ダイコン、ハクサイは買っていない。
 私がよく行く八百屋が2軒ある。住まいの近くにある1軒はだいたい週に1度、宜野湾の畑から西原の畑へ行く際、少し遠回りした所に友人Kのやっている八百屋があり、そこにも平均すると週に1度は行っている。Kの店でも野菜はほとんど買わない。野菜の苗や果物を買っている。近くの八百屋でも野菜はほとんど買わない。そこでは玉子とお菓子を買っている。玉子は新鮮なので、お菓子は食品添加物を使っていないので。

 その八百屋は鉢物も少々置いてある。冬のある日、黄色の花がたくさん着いて目立っている鉢物が2種あった。一つは先週紹介したウマノアシガタ、もう一つはリュウキュウヒキノカサ。ヒキノカサは図鑑で見ていて名前が面白いので覚えていた。「あー、これがヒキノカサか、そうか、蛙はこの花を傘にしているのか」と感激し、購入した。

 リュウキュウヒキノカサ(琉球蟇の傘):鉢物・装飾
 キンポウゲ科の多年草 琉球列島固有種 方言名:不詳
 名前の由来は『沖縄植物野外活用図鑑』に「琉球産、蟇の傘の意、蛙の住む湿ったところに生える植物で、花を蛙の傘に見立てて名づけられた」とあった。ちなみに、蟇(ひき)はヒキガエルのことを指すが、ここでは蛙全般のことを指している。
 『沖縄園芸大百科』に「ウマノアシガタを小形にしたような感じ・・・生えている場所や草の性質もよく似ている」とあり、『沖縄植物野外活用図鑑』には「沖縄での分布はウマノアシガタ同様、伊江島と本部半島に限られています」とあり、同じキンポウゲ科のウマノアシガタとは近縁のようである。基本種のヒキノカサは日本、中国、台湾に分布するとあるが、本種は徳之島、沖永良部、沖縄に分布する琉球列島固有種。
 根生葉は長さ2〜5センチの柄があり、3裂、または無裂。茎につく葉は線形。
 花茎は1〜5本出て、高さ20〜35センチ、花茎の先に花をつける。花弁は黄色、開花期については資料がなく不明だが、おそらく、ウマノアシガタに近いと思われる。写真は2月のもので、よって、ここでは2月から5月としておく。

 花
 記:島乃ガジ丸 2014.4.1  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
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