オウギバショウモドキ
 先週紹介したオウギバショウは2、3年前に末吉公園で発見し、写真も撮ってあった。先月5月に、イジュの写真を撮りに読谷村へ行った際、イジュの木のすぐ傍にオウギバショウを発見した。先週の写真はその時のものだが、じつは4月にも末吉公園へ行き、オウギバショウの写真を撮り直してあった。その時の写真も2、3年前の写真も写りが悪かったので、読谷村でのオウギバショウの発見はラッキーなことだったのだ。 
 4月の末吉公園は無駄足だったのかというと、そうでは無い。これまたラッキーなことに、オウギバショウのすぐ近くにオウギバショウモドキがあるのを見つけた。この2、3年の間に何度も植物図鑑に目を通しているお陰で、まだ見ぬ植物の姿も記憶にあったのである。2、3年前には気付かなかったオウギバショウモドキ、すぐにそれと判る。
 オウギバショウモドキがゴクラクチョウカと同属であり、「花は白く、形はゴクラクチョウカによく似る。小さい頃の茎もゴクラクチョウカに似ている。葉もゴクラクチョウカをちょっと広くした感じ。」であることも記憶にあった。花がそうであることを確認し、そして、株元まで行き、若い茎がそうであることも確認した。私自身が、違いの判るオジサンになりつつあることも確認して、満足の行く末吉公園散策であった。

 オウギバショウモドキ(扇芭蕉擬き):公園・添景
 バショウ科の常緑多年草 南アフリカ原産 方言名:なし
 見た目がオウギバショウに似ているからオウギバショウモドキ(扇芭蕉擬き)という名前。別名をタビビトノキモドキ(旅人の木擬き)と言うが、これも同じ理由。
 しかし、オウギバショウはタビビトノキ属で、本種はストレリチア属。葉と葉の出方はオウギバショウだが、花はストレリチア属のゴクラクチョウカに似ている。花色が白いので、シロゴクラクチョウカという別名もある。
 小さい頃の茎や葉もゴクラクチョウカに似ているが、成長すると茎はバショウのそれと同じくらい太くなる。葉も幅が広くなってバショウにそっくりとなる。
 オウギバショウは幹が木質化しているが、本種はゴクラクチョウカと同じく草本で、常緑多年草に分類されている。庭木としては常緑中木として扱う。
 高さ6〜10mで民家の庭にも使いやすい。葉は幹の頂から扇状に左右に開き、これがオウギ(扇)の形。ゴクラクチョウカに似た白い花を咲かす。開花期は周年。
 学名はオウギバショウモドキ Strelitzia alba Skeels
 オウギバショウ Ravenala madagascariensis J.F.Gmel

 花

 株元
 記:島乃ガジ丸 2008.6.2  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
inserted by FC2 system