オオベニウチワ
 今回紹介する植物オオベニウチワ、この実物を、私はこれまでに何度も見ている。しかしながら、その和名がオオベニウチワであることは、今回調べて知った。おそらく、多くの人も私と同じだと思う。オオベニウチワはアンスリュームのこと。アンスリュームと言えば、「あー、なーんだ、それのこと。」となるであろう。
 今回別項で紹介する植物ササウチワ、この実物もまた、私はよく知っているが、その和名がササウチワであることは、今回調べて知った。これはスパティフィラムのこと。これも多くの人にとって、「あー、なーんだ、それのこと。」となるであろう。
 私は、国粋主義者では無いが、日本が大好きである。一部を除いた概念の日本人が大好きであり、日本の風土が大好きである。そして、日本語も(他国語は知らないが)大好きである。なので、植物の名前なども、なるべくその和名で覚えたいと思っている。

 これまで、このHPでたくさんの植物を紹介しているが、英名(または学名)は知っているが、和名は知らなかったというのものもいくつかあった。今回のオオベニウチワ、ササウチワもその中に含まれることになる。それにしても、オオベニウチワとササウチワ、何て良い名前なんであろうと思う。名前からその姿が想像できるでは無いか。アンスリュームやスパティフィラムではこうはいかない。日本語万歳。

 オオベニウチワ(大紅団扇):鉢物
 サトイモ科の多年草 コロンビア原産 方言名:なし
 アンスリュームという名で有名。アンスリュームは学名の属名Anthuriumから。和名の大紅団扇は紅団扇が広辞苑にあり、「アンスリウムの和名」とのこと。苞が紅色で団扇のような形をしているところからきている。『原色観葉植物写真集』を見ると、紅団扇と大紅団扇は種が違う。園芸店でよく見る鉢物のアンスリュームは大紅団扇のようである。学名は紅団扇がAnthurium scherzerianum、大紅団扇はAnthurium andraeanum L.。
 照りのある紅色の苞に観賞価値がある。その苞は仏炎苞(ぶつえんほう)と特別な名前があり。「肉穂花序をつつむ大形の総苞。ミズバショウ・テンナンショウ・サトイモの苞の類。」(広辞苑)とのこと。その開花期は周年。
 高さは1mほどになる。長い葉柄の先に長さ30センチほどの大きな葉をつけ、葉にも照りがある。観葉植物として、苞だけでなく葉も鑑賞される。苞の色が白色になるものなど、園芸品種も多いとのこと。なお、ベニウチワは本種に比べ苞は小さく、葉は細い。
 高温多湿を好み、真夏の直射日光は嫌う。
 記:島乃ガジ丸 2007.3.20  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
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