オオホザキアヤメ
 外食でカレーライスを食ったのは、5、6年前、友人のNに誘われて、東京の国分寺にあるカレーの専門店に行って以来、無い。その前10年ばかりもたぶん、無い。
 カレーが嫌いというわけでは無い。家ではレトルトのものや、自分で作ったりしてたまに食べている。自分で作るのはグリーンカレーやイエローカレーなど、ココナッツミルクの入ったカレーで、レストランや大衆食堂にあるものとはちょっと違う。レトルトのものはレストランなどでよく見る普通のカレーであるが、いずれにしても、私はそれらの付け合せに福神漬けを用いない。甘酢漬けのラッキョウも用いない。福神漬けや甘酢漬けのラッキョウは、漬物としては、私の好みに入っていない。カレーを食べる時の、私の付け合せは概ね、糠漬けか浅漬け、ラッキョウなら塩漬けの島ラッキョウとなっている。
 甘酢漬けのラッキョウはその甘さがちょっと苦手で、福神漬けは主張しすぎる味の濃さをちょっと苦手としている。たまに(年に1、2回)買う市販の弁当の中に福神漬けが入ったりしているので、年に1、2回は福神漬けを食っている。甘酢漬けのラッキョウは食べる機会が無い。前に食べたのはいつだったか、もう記憶にも無い。

 それにしても、福神漬けとは面白い名前である。今回紹介するオオホザキアヤメの別称がフクジンソウだと知って、福神漬けを思い出し、ついでに調べた。福神とは福の神のことで、正月に出てくる七福神も含まれる。福神漬けは、7種の野菜を用いた漬物であることから、「七福神になぞらえて名づけられた」(広辞苑)とのこと。

 オオホザキアヤメ(大穂咲菖蒲):鉢物・添景
 オオホサキアヤメ科の多年草 東南アジア原産 方言名:なし
 アヤメと名が付くが、アヤメ類はアヤメ(Iris)科で、本種はオオホサキアヤメ科(以前はショウガ科)なので、全体的にはアヤメ類よりも、ショウガ科の、例えばウコンの方により似ている。ただ、花はアヤメに似ていると言っても、そう遠くは無い。穂に咲くのでホザキ、花が大きめなので、オオホザキアヤメという名前であろう。
 『沖縄植物野外活用図鑑』にはショウガ科とあったが、念のためと、ネットで確認したら、今はオオホザキアヤメ科に分類されているようだ。
 フクジンソウという別名があるが、福神草なのか福人草なのか不明。福神は「財物にめぐまれるしあわせを授ける神。ふくのかみ。」(広辞苑)のこと。福人は「裕福な人。」(〃)のこと。白い花が福の神に見えるのか、金持ちに見えるのか、これも不明。
 高さは150センチほどになる。花は苞葉の先に窮屈そうな付き方をしているが、大きくて目立つ。白い花。開花期は5月から10月。

 花
 記:島乃ガジ丸 2007.4.24  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
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