ナガバミズアオイ
 10年ほど前まではキャンプ遊びなどでたびたびヤンバルへ出かけていたが、以来去年までは滅多に出かけることは無かった。それが一転、今年はとても多い。
 1月中旬に鹿児島の友人Nと、同月下旬には一人で、3月にはNと美女の三人旅、4月には従姉夫婦と、5月には埼玉の友人Kと、6月上旬には同じくKと彼の友人を伴って、同月下旬には平和運動家の爺様婆様を伴って、7月からは新たに借りた300坪の畑仕事で忙しく行く機会を得なかったが、今週火曜水曜(2012年11月13日〜14日)、東京の友人Iと出かけ、計8度もヤンバル訪問をしている。

 ヤンバルへ行くと私の住んでいる宜野湾市や、実家のある那覇では見られない動植物に出会えるので、行くたんびに写真をたくさん撮ってある。この一年のヤンバルの写真、動植物に限っても5、600枚はあるだろう。何者か判明していない写真が大半だが、判明しているのも多くある。ナガバミズアオイもその一つ。
 ナガバミズアオイは従姉夫婦とオクラレルカを見に喜如嘉を訪ねた際に、オクラレルカと同様、切り花として栽培されているのを見た。その名は生産者に聞いて知った。

 ナガバミズアオイ(長葉水葵):水景装飾・切り花
 ミズアオイ科の水生多年草 北アメリカ原産 方言名:不詳
 アオイは葵と書き「大形の花をつけるアオイ科の草本の俗称」(広辞苑)のこと。ミズアオイは水葵、または雨久花と書き「ミズアオイ科の一年草。溜水中に生え」(〃)のことで、「溜水中に生え」るアオイに似た植物であることからその名があると思われる。本種はミズアオイの仲間で、葉が長いところからナガバ(長葉)と付くのであろう。アオイの由来はてっきり「花が青いから」と思ったら、『園芸植物名の由来』に「日を仰ぐという意で、仰ぐ日からアホヒとなり、アオイとなった」とあった。「ヒマワリみたいな奴なんだ」と思ったら、そういえばヒマワリは向日葵と漢字で書く。なお、ヒマワリはキク科の一年草で向日葵、または日回りとも書くが、「太陽を追って花がまわるという俗説があるが、実際にはほとんど動かない」(広辞苑)とのこと。
 茎をまっすぐ伸ばし、高さは1m内外になる。茎の先に小さな花を穂状につける。花は青紫色で、開花期は春から夏。葉はゲットウの葉の形に似ている。
 沖縄に自生は無く、田んぼのような環境で切り花用として栽培されている。

 花
 記:島乃ガジ丸 2012.11.16  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
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