モモイロタンポポ
 一人住まいをしていた高校生の頃、首里汀良町から母校の首里高校まで歩いて通学していた。その途中、首里鳥堀町に一軒の映画館があった。確か、名を有楽座といった。今はもう無い。だいぶ前、たぶん30年以上も前に廃業している。家からだと5〜6分、高校からだと10分少々の距離にあり、下校時には寄り道するのに好適であった。
 首里高校から西方面(私の住まいは北方面)に5分ほども歩くともう一軒別の映画館があった。名を首里劇場という。これは今でも確か健在である。その名前から、有楽座も首里劇場もおそらく、元は芝居小屋だったと思われる。元芝居小屋はしかし、私が高校生の頃は映画のみを上映していた。映画もその多くは桃色映画であった。
 桃色映画を私が初めて観たのは、記憶はおぼろげだが、おそらく高校生の頃、帰り道にあった有楽座では無く首里劇場。どんな桃色映画だったかこれも記憶はおぼろげだが、若い(女子高生ほど)女2人が男の部屋に連れ込まれて・・・だったと思う。
 桃色映画を私が最後に観たのは、何歳の頃だったかもう全く忘れている。大学生の頃には何本か観ているが、その後観たかどうかは記憶に無い。社会人になってからはHビデオを買ったり、借りたりして観ているが、映画館では、もしかしたら無いかも。

 桃色というと、ピンク映画のことが真っ先に浮かんで、以上のような文章となったが、改めて記憶を辿ると、真っ先に浮かぶにしては、私はあんまり観ていないのだということが判明した。ただし、これには「映画館では」というのを付け足さないと正確では無い。HビデオやHDVDはたくさん観ている。
 モモイロタンポポと聞いて、「Hなタンポポ」なんてことを想像することは無い。綿毛で乳首を撫でると女がよがる、なんてことも全く想像していない。

 モモイロタンポポ(桃色蒲公英):鉢物・花壇
 キク科の一年草 南イタリア、バルカン半島原産 方言名:なし
 名前の由来、モモイロ(桃色)は花の色(白花種もあるらしい)からであろう。タンポポについては葉や花の見た目がタンポポに似ているからであろう。タンポポ?は何だろうと調べてみると、『植物名の由来』に「古名ツヅミグサ(鼓草)からでたもので、鼓の音タン・ポンポンに由来するものと思う」とあった。タンポポの茎の両端を細かく裂いて水につけると、両端が反り返って鼓に似た形になり、そうやって鼓の形を作ってタンポンポンと興ずる子供の遊びがあったらしい。タンポンポンからタンポポになったとのこと。
 タンポポはタンポポ(Taraxacum)属の総称だが、本種は別属(Crepis)。「葉はタンポポに似る」とあったが、私の感覚では、葉だけでなく花の形もタンポポに似ている。
 タンポポは多年草だが、本種は一年草。秋まきの草花として花壇に使われることが多いようだ。霜が降りるほどの寒さには弱いとのこと。もちろん、沖縄では問題無い。

 花
 記:島乃ガジ丸 2014.4.16  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
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