クッカバラ
 観葉植物の類には園芸品種が多くあり、それらに付けられた名前も面白いものが多い。カネノナルキなどその代表。この項に合わせて今回訂正したが、ガジ丸HPのカネノナルキの頁で「カネノナルキ(金の生る木)は俗称で、ベンケイソウ科のカゲツやフチベニベンケイなどを指す」と私は書いたが、『原色観葉植物写真集』によると、学名Crassula argenteaの商品名が「金の成る木」とあった。
 そのCrassula argenteaの和名がまた面白い。アデスガタとある。艶姿の意だ。
 「庭に何か植えたい」と友人のK子が言うので、
 「畑にカネノナルキがあるからあげるよ」と私は提案し、
 「じゃあ、そのうち取りに行く」となった。その後、メールのやり取りがあり、「太っていても痩せていても艶姿は存在する。若い人よりも30代40代の方がむしろ艶姿は似合う、頑張れば50代でも・・・。」という激励メールを私は送った。

 今回紹介するクッカバラも観葉植物として人気があるようだ。ただ、名前が学名をそのまま日本語読みしたもので味気ない。クッカバラは特徴的な葉を持っている。葉柄がとても長く、葉には深い切れ込みがいくつもある。そこから私は両刃ののこぎりを連想した。サトイモ科の植物なので後ろにイモを付け、ノコギリイモでどうだろう?

 クッカバラ(kookaburra):鉢物・装飾
 サトイモ科の常緑多年草 南アメリカ原産 方言名:なし
 名前の由来は、学名のkookaburraから。
 観葉植物として人気のあるフィロデンドロン属の一種で、長い葉柄といくつもの深い切れ込みのある葉が特徴。葉柄は長さ30〜40センチ、葉は径15〜20センチ。短い茎の先に長い葉柄の葉を15〜20枚着け、葉が落ちた後は茎に葉痕が残る。
 耐陰性があるので室内装飾に向く。寒さには弱いので倭国では鉢植えのインドアグリーンのみの利用となるが、沖縄では地植えで庭の装飾としても使える。
 記:島乃ガジ丸 2013.11.15  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
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 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
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