コウトウシラン
 沖縄の冬は概ね天気は悪いのだが、今年は特に雨の日が多いように思う。「こんな雨ばっかりだったら練習が思うように行かない、沖縄でキャンプするのは止めよう」と、プロ野球関係者の皆さんが思うことがないよう祈る。私はプロ野球にちっとも興味は無いのだが、キャンプを見に行こうなどとはちっとも思わないのだが、ワシタ(我々の)島ウチナーが賑やかであることは嬉しい。なので、そのように祈る。
 雨のせいで畑仕事も思うように進まない。じつは、プロ野球のキャンプよりも、ウチナーが賑やかであることよりもこっちの方が私にとっては重大事。果樹の植付、芋掘りなどが遅れている。ではあるが、天気はしょうが無い。晴耕雨読の道を歩むしか無い。

 雨読では無いが、先日雨の日、パソコンに収めてある何者か不明の膨大な写真のうち、草本類のフォルダを開き、何者か判明させる作業をした。図鑑の写真と見比べながらの作業、半日掛けてやっと数種類の不明者が判明者となった。
 その数種類のうちの1種は先週紹介したボウラン、去年(2011年)の7月に民家の庭にあるのを写真に撮って、その家の主にボウランであると教えられたが、2005年6月にも当時住んでいたアパートの近くにある小学校の庭で写真を撮っている。
 もう一種、今回紹介するコウトウシランも過去に撮った写真があった。2007年6月のもの。デジタル写真は日付が判る。その日付の日記を見れば撮った場所も概ね判る。コウトウシランは首里桃原の民家の庭、その日私は現場仕事であった。

 コウトウシラン(紅頭紫蘭):花壇・鉢物
 ラン科の多年草 熱帯アジアに分布、八重山諸島が北限 方言名:不詳
 名前の由来、シランは花の色からで、同じラン科の多年草シラン(5月頃赤紫の花をつける、学名Bletilla striata)とは別属。紅頭は文献にあり、台湾の南東沖にある小島、蘭嶼の古称、紅頭嶼(こうとうしょ)のことで、そこに自生があったからとのこと。ちなみに、本種の学名は、Spathoglottis plicata Bl.
 山裾の草地などに生える地生ランで、偽球茎の下部から長さ50〜70センチ程の花茎を出し、その先に5〜15個の花をつけ、一つ一つの花は数日でしぼむが、次々と咲かせていく。基本種の色は桃色から深紅色、開花期は4月から10月。
 熱帯アジアに広く分布し、八重山諸島がその北限となっている。

 花

 白花
 記:島乃ガジ丸 2012.3.3  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
inserted by FC2 system