コスモス
 若い頃から今に至るまで、私はテレビの歌番組をほとんど観ていない。フォークソングは好きであったが、当時、フォークソングがテレビで流れるということは少なくて、もっぱらラジオからそれを聴いていた。
 テレビの歌番組を観なかったのは、歌謡曲が好きでは無かったからである。しかしながら、1970年代の歌謡曲を私は良く知っている。キャンディーズ、ピンクレディー、野口五郎、西条秀樹、郷ひろみ、山口百恵、森昌子、桜田淳子などが全盛期の頃だ。先日亡くなった作詞家阿久悠の作品も、テレビでその代表作をいくつか流していたが、そのほとんどを私は知っていた。「歌謡曲が好きでは無かった・歌番組をほとんど観ていない」にもかかわらず知っている。何故?・・・当時、パチンコ屋通いをしていたからである。
 「フォークソングは好きであった」と書いたが、さだまさしの作品はちょっと苦手であった。苦手であったが、彼の作品のいくつかを知っている。それはパチンコ屋通いのお陰もあるが、周りの友人たちがさだまさしの歌をよく歌っていたということもある。「つまらん歌なぞ歌いやがって!」と若い頃の私は思ったのであった。さだまさしの優しさ、善良さがどうも、毒のある私は気に食わなかったみたいなのである。

 秋の草花として有名なコスモスは、和名をアキザクラと言い、秋桜と漢字で書く。山口百恵の歌に『秋桜(コスモス)』というのがあった。1977年の作品、作詞作曲はさだまさし。十分歳取って、この頃涙もろくもなっている私であるが、まだ毒気も残っているようで、『秋桜(コスモス)』の歌詞を読んで感動することは無い。

 コスモス(秋桜):花壇・切花
 キク科の一年草 原産はメキシコ 方言名:なし
 秋桜と書いてコスモスと読むわけでは無い。秋桜はアキザクラと読む。これが、実は和名となっている。素人考えだが、サクラと付いているのは、サクラに似ているからというわけでは無いと思う。サクラは花の代表という意味があり、コスモスは秋の花の代表であることから秋に咲く桜ということなのであろう。コスモスは学名のCosmosから。
 草丈は、広辞苑に150センチとあったが、それは原種のことだと思われる。多くの園芸品種があり、学校の花壇などでよく見かけるものは40〜50センチ程度。
 多くの園芸品種は花色もまたさまざまあり、赤、淡紅、深紅、黄、橙、桃、白など。開花期はその名の通り概ね秋となるが、夏、または初夏から咲いている品種もある。
 キバナコスモスと特別に呼ばれる品種がある。黄色い花のコスモスであるが、きわめて丈夫な種で、繁殖力も強く、雑草のように蔓延ることから特別視されている。

 花

 キバナコスモス
 記:島乃ガジ丸 2007.8.5  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
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