キキョウラン
 何年か前に東京の庭園美術館を訪れたとき、展示会のタイトルは覚えていないが、宝石展のようなものをやっていた。宝石展といっても販売目的ではない。美術的鑑賞に堪える宝石、というか装飾品(アクセサリー)の展示。指輪やらブローチやらネックレスに加工されたものがほとんどで、ヨーロッパの古いものが中心だったと覚えている。
 私は元より宝石などに興味は無いのだが、たまたま近くに用があって、ついでに覗いたものだと思う。装飾品とそれに用いられている宝石はしかし、素晴らしかった。宝石の美しさというものを、私はこの時初めて知ったと言っていい。
 装飾の細かな細工にも驚いたが、宝石そのものの美しさにも感動した。なるほど、これなら「欲しい!」と血眼になる人間が世の中にあまたいても不思議では無い。優れた絵画を欲しいと思うのと一緒。私も2つ3つ所持(買う金があればの話だが)して、時々眺めるのもいいな、心の癒しになるだろうなと思った。もちろん私の場合は、純粋にその美しさから「欲しい」と思うのであって、世の多くのオバサンたちやおネエさんたちのように「値段が高いから欲しい」などと思うものでは無い。
 キキョウランの実を見たときも美しいと思った。これが石なら、指輪にして、愛する人に差し上げても、十分にその愛が伝わるに違いない。

 キキョウラン(桔梗蘭):花壇・鉢物
 ユリ科の多年草 原産分布は本州中部以南、沖縄、インド、他 方言名:クブグサ
 花の色が桔梗に似ていて、葉が蘭のようであるから桔梗蘭という名。民家の庭先に、山すその空き地などによく見かけられるが、耐潮風性が強く、海岸近くにも自生する。
 長さ40〜80センチ位の花茎を斜め上方に突き出し、その先に小さな青紫色の花を十数個つける。開花期は3月から5月。花後の卵形の実も青紫色になり見応えがある。蘭のような葉も光沢がありきれいなので、花も実も観賞できる観葉植物としても人気がある。
 なお、キキョウ(桔梗)はキキョウ科の多年草で、花の形は釣鐘型、色は青紫、白などで、夏から秋にかけて咲く。秋の七草の一つとなっている。

 花

 実
 記:島乃ガジ丸 2005.7.23  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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