ヒガンバナ
 しばらく涼しい日々が続いていたが、9月に入ってからは暑くなる。特に、昨日(17日)今日と実に暑かった。しばらく涼しかった分、よけいに暑さが堪える。今、午後2時を過ぎたところ、一日のうちで最も暑い時間帯に、今、これを書いている机の傍の窓からは、太陽の熱光線が容赦なく差し込んでくる。私はパンツとTシャツ姿で、体全体から汗を滲ませている。もう少し時間が経つと、汗が滴り落ちるようになる。この時期、太陽の光は真っ直ぐ部屋に入り込むのだ。厳しい日々である。
     
 今朝起きたら右腕に原因不明の痛みがあって、右手が満足に使えない。手首を固定したような形で人差し指だけでキーを打つ。左手の指がフル活動する。それはしかし、慣れない作業なのですごく疲れるし、作業もはかどらない。暑さがさらに堪える。おそらく今日はこの記事を書き上げるのが精一杯となりそう。暑いし、痛いし、ウチナーグチ(沖縄口)で言えば、アギジャビヨー!となる。そして、チルダイ(だれる様)する。

 今週の金曜日、このページをアップする日は9月23日、秋分の日。「暑さ寒さも彼岸まで」というのだが、その言葉、この沖縄にも当てはまる。平年の9月の下旬は、だいたい明け方の気温が25度を下回る。「えっ!25度って、暑いじゃない。」と倭国の人は思うかもしれないが、25度以下になれば、沖縄では真夏は終わったことになる。何せ、その気温であれば、夜、安らかに寝ることができるのだ。
 最高気温が30度を超える日々もだいたい彼岸までである。平年の9月下旬の平均最高気温は29度ちょい。が、しかし、日中の体感気温はそうはいかない。南国の太陽の熱光線は秋になっても強烈である。陽光はガンガン照りつけ、肌を焼き、体からは水分を蒸発させ、頭からは脳味噌を蒸発させる。肉体労働者の夏は、まだまだ続く。
 ヒガンバナだって、沖縄出身のそれは「こんなもんさ」であろうが、倭国から持ってきたヒガンバナは、きっと「うそ!もう秋分だぜ。何なんだよこの暑さ、何だってまた、秋の太陽があんなにギラギラしてるんだ!」と思うに違いない。

 ヒガンバナ(彼岸花・石蒜):花壇
 ヒガンバナ科の多年草 原産分布は日本、中国 方言名:ボージビラー
 秋の彼岸頃に花を咲かせるので彼岸花という名。マンジュシャゲ(曼珠沙華)などという風格のある別称もある。方言名のボージビラーは坊主のネギという意味。花が終わるとネギのような細い葉を出すからであろう。いずれにせよお墓とかあの世とか、宗教に関わりのある名前なのが面白い。漢字の石蒜は、セキサンと読んでその鱗茎を指す。鱗茎は薬用となるらしいが、そのまま食すと死に至るほどの毒性を持つともある。だから、あの世と関係のある名になったのかもしれない。シビトバナという別名もある。
 秋になると、葉を出す前に花茎を伸ばし、30センチほどに伸ばしたその先端に赤色の花を多数つける。冬になって線状の葉を出す。

 花
 記:島乃ガジ丸 2005.9.18  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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