ハナシュクシャ
 2005年の12月、倭国も寒いようだが、沖縄も例年に無く寒い。ヒジョーに寒い。私の衰えた脳味噌では、記憶が確かであるかどうか自信は無いが、おそらく、これほど寒い12月は、沖縄気象台の観測史上、記録的なものなのではないだろうか。
 そうはいっても、やはり南の島、夏に比べれば減ってはいるが、虫たちもまだ多くが飛んでいる。最近見たものはモンシロチョウ、リュウキュウミスジ、キチョウ、アサギマダラ、リュウキュウヒメジャノメなどなど。咲いている花も多くある。ブーゲンビリアなどはこの時期が一番きれいだと言っても良い。その他たくさんあるので、後は省略。
 先日、このHPを始めてからは初対面の花に出会った。白色にもいろいろあるが、とてもきれいな白色をした花。全体の形からハナカンナの白色系かと初めは思った。写真に撮って、文献と照らし合わせる。カンナはカンナ科の植物だが、こちらはショウガ科の植物であった。そういえば、同じショウガ科のウコンにも似ている。私もいつかは、これは何科の植物であろうと推理できるくらいになりたい、と写真を眺めながら思った。

 ハナシュクシャ(花縮砂):花壇・鉢物
 ショウガ科の多年草 原産分布はインドからマレーシア 方言名:なし
 ハナシュクシャとは花の目立つシュクシャであろうと想像し、シュクシャとは何かを調べるが、どの参考文献にもシュクシャという植物は無かった。ショウガ科の一部の植物の別名なのかと思って調べたが、それも不明。花縮砂という漢字は広辞苑にあった。
 英語名にButterfly gingerとあり、これは花の形を蝶に見立ててのこと。もう一つ、White gingerというのもあるが、じつは、ハナシュクシャよりもこのホワイトジンジャーという名前の方を私は知っていて、たぶん一般的にも有名なのだと思う。
 ジンジャーというと、先ず、薬味に用いる生姜のことが思い浮かぶが、広辞苑をひくと、1に「生姜」とあり、2に「ショウガ科の多年草」とあった。この多年草はショウガ科のHedychium属のことを指しており、本種もそれに含まれている。
 茎は直立して高さ1mほどになる。「乾燥を嫌い、湿り気のある土壌に適する」と文献にはあったが、私が写真を撮ったのは、コーラル(石灰岩の砂利)敷きの駐車場の一角。湿り気とは縁遠い土壌であった。ある程度の環境変化には耐える丈夫な植物なのだろう。茎の先に白いきれいな花を咲かせる。花には強い芳香がある。開花期は7〜10月。

 花
 記:島乃ガジ丸 2005.12.26  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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