ハナスベリヒユ
 アパートの、真下の部屋の住人はバツイチだが、まだ二十代の若いお母さんである。かわいい人である。彼女が、「越してきます」と挨拶をしてからもう2年以上は経っているが、まだ、ちゃんと住んではいない。3人の子供を1人で育てるのは大変らしく、近くにある実家に子供を預け、実家とアパートを行ったり来たりしているみたいである。彼女がアパートにやってくるのはたいてい、私が勤務時間の時みたいで、なかなか会う機会が無い。土日の午前中などに偶然会ったりするが、それも月に1回あるかないかである。
 アパートの畑の一角は彼女が管理している。彼女が毎日来ているらしいってことは、その畑に水を撒いたり、除草したりしている跡があることから判る。
 彼女の畑には、ホウレンソウ、トマト、ピーマンなどありふれた野菜の他、私の知らない野菜もいくつかある。名前を訊きたいのだが、ここ一ヶ月、顔を合わせていない。

 前に、野菜として紹介した「スベリヒユ」も彼女の畑にあるものだが、じつは、私がスベリヒユと思ったその植物、もしかしたらハナスベリヒユかもしれない。最近になってたくさんの花がつきだしたのである。もしも、それがハナスベリヒユなのであれば、HPの写真を変更しなければならない。間違った情報のままではガジ丸の信用(たいして無いけど)が落ちる。しかしながら、畑に花物を植えることは無かろうとも思い、本当はどうなのか、彼女に訊きたいところであるが、ここ一ヶ月、顔を合わせていない。

 ハナスベリヒユ(花滑莧):花壇・鉢物
 スベリヒユ科の多年草 原産分布はインド 方言名:なし
 食用となるスベリヒユの変種で、スベリヒユに比べて花がずっと大きい。そこからハナ(花)スベリヒユという名前となっている。
 茎が柔らかいので匍匐するようにして広がり、辺りを覆う。多く分枝して、その先に花をつけるので、いっぺんに多く咲く。花壇の花ものとしてよく利用されている。
匍匐性があるので草丈は低い。よって、台風による被害も少ない。また、乾燥に強い丈夫な植物。花色は赤、橙、黄、紫など多種。開花期は周年。
 花の鉢物として園芸店でよく見かける。園芸店ではポーチュラカという名前になっている場合が多いが、それは、本種の学名の属名。マツバボタンも同属。ちなみに、
 ハナスベリヒユ Portulacea oleracea.L.var.giganthes(L.f.)Bailey。
 スベリヒユ Portulacea oleracea。
 マツバボタン Portulaca grandiflora Hook
 記:島乃ガジ丸 2006.5.22  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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