ハカタガラクサ
 博多へはもう何度も旅している。博多駅近くにある飲み屋の、生簀で泳いでいるスルメイカの刺身がいかにも新鮮な半透明をしていて、これがとても美味しかった。また、これのゲソを唐揚げにしたものも美味しかった。別の店で食べたオコゼの唐揚げも美味であった、中州のスナックのお姉ちゃんが可愛かった、などの思い出がある。
 おぼろげな記憶であるが、博多の人(北九州だったかもしれない。北九州も私は5、6回訪れている)は語尾に「クサ」をつけることがある。「何が臭いんだろう?」と、一瞬だが思った覚えがある。博多はまた、ヤクザが多く、柄が悪いという印象もある。
 ハカタガラクサという植物がある。博多の人は「柄が臭い」という意味でその名前がついたのではないかとも考えたが、もちろん、そういうことでは無い
 2003年秋の旅はオジサン5人旅であった。博多で一泊し、佐世保で一泊し、長崎で一泊した三泊四日の旅。博多のことを書こうと思って、その時の旅日記を読み返した。博多の夜、オジサンたちは屋台で酒を飲んでいた。屋台の亭主は我々よりもひと回り若く、爽やかな感じの人。酔っ払いオジサン相手に穏やかな口調で、丁寧に応対してくれた。博多の人はけして、「柄が悪く」も「臭く」も無いのであった。
 →旅日記「オジサン5人旅」・・・ご注意:身内話が多いので、関係ない人が読んでも面白くないはず。

 ハカタガラクサ(博多柄草):地被・観賞用鉢物
 ツユクサ科の多年草 メキシコ原産 方言名:なし
 名前の由来は、「博多に多く見られる、葉に柄のある草」ということかもしれないが、「葉が博多織の柄(縦縞模様に特徴がある)に似ているから」なのかもしれない。本種の葉は暗紫色の地に縦に白っぽい2本の線が入っている。ということからして、後者の説が有力ではないかと私は思う。葉の裏はきれいな紫色。
 観葉植物としてはゼブリナという名前で有名。ゼブリナは属名。野生化したものが野原に見られる。高さは30〜50センチ程度。
 職場の庭に、もう何年も前から自生しているが、その花を私は見たことが無い。文献にも花の写真は載っていなかったが、紫色とのこと。
 記:島乃ガジ丸 2006.7.31  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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