エンレイハマオモト
 一時期涼しくなって、今年は夏の終わりが早いと思っていたら、9月になって暑さがぶ り返した。無風の日々も数日続いた。クーラーを使わない信条の私は、家で汗をかき、職場で汗をかき、車の中で汗をかき、飯を食って汗をかき、糞をして汗をかいていた。
 10月に入ってやっと本格的な秋風が吹いた。夏の間大量の汗をかきつつ、動植物の写 真を撮るため、そして、健康のためにと散歩を続けていたが、秋風が吹けば散歩も極楽娯楽だ。曇り勝ちの日ではあったが、10月のある日の午後、浦添大公園を散歩した。
 公園の一角にある浦添城址を先ず散策する。そこの駐車場から浦添大公園の東端の駐車場に行く途中、実物を見たことは無いが、図鑑の写真を覚えている植物を発見した。公園の駐車場に車を停めて、歩いてその植物のあるところまで戻る。「あー、確かに、植物図鑑で見覚えのある花だ。」と確信するが、名前は覚えていない。姿は特徴あるが、名前はきっとありふれているか、覚えにくいかのどっちかなのだ。・・・後者であった。

 エンレイハマオモト(延齢浜万年青):添景・花壇
 ユリ科の多年草 スマトラ原産 方言名:なし
 エンレイソウという同じユリ科の多年草がある。広辞苑によると、延齢草という字が充てられ、「果実は食用とし、また根茎を乾したものを延齢草根といい、胃腸薬とする。」とある。延齢は「寿命を延ばすこと」(広辞苑)のこと。健康に良い食べ物、または薬ということであろう。エンレイソウを知らないので、本種がエンレイソウに似ているかどうかは不明だが、また、本種が「寿命を延ばす」役に立つのかどうかも不明だが、エンレイという言葉、証拠は無いが延齢とした。他に艶麗という字も候補としてある。
 高さは60センチから1メートル。全体の形、葉や花茎もハマオモトに良く似ている。花の色形が少し違う。大きくて花弁が垂れ下がり、色は赤紫色。
 開花期についての資料は無いが、文献の写真は8月で、私の写真は10月、ということで、開花期は夏から秋ということにしておく。

 花
 記:島乃ガジ丸 2008.11.8  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
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