アメリカンブルー
 オジサンという年齢になると、感受性が鈍くなっているのかどうか知らないが、きれいな女性を見ても、「あー、きれいな人だなあ」と思うだけで、胸がときめくなんてことはあまり無い。きれいな女性が隣に座ったとしても、「あー、イイ女だなあ」と思うだけで、胸がドキドキするなんてこともあまり無い。感受性が鈍くなっているだけでなく、どうせオジサンには振り向くまいという諦めもある。・・・淋しい限りである。
 胸がときめいたり、ドキドキしたりすることも無くなったと同時に、また、辛いことや悲しいことがあってもそう落ち込んだりはしない。すれ違う女子高生の「なんか臭いオジサンだね」と言う小声が聞こえたとしても、私はちっともブルーにはならない。「臭いのはカレイ臭という奴だ。華麗ではねぇぞ、加齢だぞ」と開き直るのである。

 アメリカンブルーという名前を最初に聞いた時は、世界で唯一の超大国となって、競う相手がいなくなって、どこへ向かっていけばいいのか分らなくなって、金でしか幸せを感じることができなくなって、何となく気分がブルーとなっているアメリカ人のことを指している言葉なのかと思った。が、このブルー(blue)は「憂鬱なさま」(広辞苑)を表しているのでは無く、第一義である青いお空の「青」を示している。最近、公園の花壇などでよく見かけるアメリカンブルーは、その名の通りの青い花。

 アメリカンブルー(American blue):地被・花壇
 ヒルガオ科の多年草 原産分布は北アメリカ、中央アメリカ 方言名:なし
 数年前、あるいはもう少し前からの新しい品種で、私が参考にしているどの文献にもその記載は無い。園芸に詳しい元同僚のTさんが「花壇の花として上等」と言っていたのは7、8年前のことで、アメリカンブルーという名前は私もその頃から知っていた。
 文献に記述が無いので、ネットで調べる。ネットには鉢物の販売サイトがあって、そこに本種のことについての情報があった。「ヒルガオ科エボルブルス属の一種」、「開花期は4月から10月」、「原産地北アメリカ、中央アメリカ」、などはそのサイトから。
 草丈は20センチ前後、花の色は青。ヒルガオ科ではあるがツル性では無い。多く分枝して、その先に2センチほどの小さな花をつける。これらは、私の目の情報。

 花
 記:島乃ガジ丸 2006.9.21  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
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