ヤコウボク
 家の近くで私が良く利用するスーパーは4店あり、うち2店は職場からのほうが近いので、仕事帰りに寄ったりする。1店は歩くと片道20分ほどかかるのだが、週末、図書館へ行ったついでとか、散歩のついでに寄ったりする。残りの1店が家からもっとも近く、徒歩5分程度の所にある。一番近いのだが、行く頻度は一番少ない。買い物がある時は仕事帰りに別のスーパーを使うし、休日はまた、散歩がてらに別のスーパーだ。醤油が切れたとか酒(料理用の酒のこと。飲む酒は切れた例が無い)が切れたとかの緊急の場合、または、バス停が近いので、バスでの帰宅の場合には概ねその一番近いスーパーを使う。
 水曜日の夜、年末から続く新ソフト攻略が、思うように進まないことに苛ついていた私は、「えーい、うるさいっ!新ソフトを使うのは解説本を手に入れてからだ。」と決めて、今週予定していたガジ丸HPの刷新を早々と諦める。諦めとたん、心晴れ晴れとなって、そして、休肝日の予定を返上して、酒の肴を買いにとそのスーパーへ向かった。

 行く道の途中に、時々すごく良い匂いのする一角がある。匂いの元は、民家の塀沿いに顔を覗かせているヤコウボクだ。その夜、時期外れの花を少し咲かせていた。寒いせいなのか花の匂いは弱く、鼻を近づけないと匂わなかったが、やはり、良い香りだった。
 アパートの畑にあるヤコウボクはナンクルミー(自然発生)のもの。鳥が実を食べて、糞とともに種を落とし、芽が出でたもの。成長が早く、暴れ木になるので、庭木としては嫌がる人も多い。近所のおばさんが「畑の邪魔になるよ」と助言してくれたが、私は残している。年に5、6回剪定して、桜の根元で丸くまとまるようにしている。新ソフトほどではないが手間がかかる。今朝見ると畑のヤコウボクも花をつけていた。

 ヤコウボク(夜香木):添景・庭木
 ナス科の常緑低木 分布は南米、熱帯・亜熱帯各地 方言名:ヤコークワ
 別名ヤコウカと言い、その名の通り花が夜香る。甘い匂いを強く出すので、夜散歩していて近くにこの花が咲いていればすぐに気付く。昼間は匂わない。
 萌芽力が強く、たくさんの細い枝がよく伸び、放っておくと樹形がすぐに乱れる。庭の狭い場所にはあまり向かない。狭い場所では、適宜剪定をして形を整える必要がある。
 開花期は3月から11月と文献にはあるが、暖冬気味の今年は今でも咲いている。
 山口淑子(李香蘭)の歌う「夜来香(イエライシャン)」は、この植物のことだとずっと思っていたのだが、今回調べてみると違っていた。イエライシャンはガガイモ科の植物で、別名トンキンカズラ(東京葛)という中国南部原産の常緑蔓性低木。
 
 花 2017年8月追加
 
 実 2017年8月追加
 記:2005.1.7 島乃ガジ丸  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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