サキシマツツジ&ケラマツツジ
 アパートの前の道は、表通り(といっても車がやっとすれ違うことのできる細道)まで40mほどあり、向かいの家に1本、2軒置いて左右に1本ずつ、左手の隣の家に1本、その隣に3本、合計7本の桜の木がある。今、それらは全て葉桜となっている。
 春の花というと、倭の国ではサクラ(ソメイヨシノ)が先ず思い浮かぶが、沖縄のヒカンザクラ(緋寒桜)はその名の通り寒い時期、冬に咲き、花は3月が来る前に終わってしまう。よって、沖縄の桜は、春の花というイメージはまったく無い。
 では、沖縄の春の花、「春が来たな」と感じさせる花はというと、3月に入り、暖かくなってから咲き始めるコガネノウゼン、キワタノキ、カエンボク、イペー、シャリンバイなどもあるが、先ず一番に思い浮かぶのはツツジ。3月には多くの種が咲き誇る。

 沖縄にもツツジは自生していて、古くから庭木や盆栽に親しまれている。沖縄のツツジの代表はサキシマツツジとケラマツツジ。サキシマとケラマ、ウチナーンチュにとってはどちらも似たような名前だ。何が似ているかというと、どちらも沖縄の島々の名前。
 ケラマは慶良間諸島のケラマで、サキシマは、正確には両先島と言い、宮古諸島と八重山諸島の総称。ちなみに、奄美地方のことは道の島と呼んだとのこと。

 サキシマツツジ(先島躑躅):添景・盆栽・生垣
 ツツジ科の常緑低木 原産分布は久米島、石垣、西表 方言名:チチジ、キカゾ
 ツツジとは「ツツジ科ツツジ属(シャクナゲ類を除く)の常緑または落葉低木の通称」(広辞苑)とのこと。ツツジという名前の由来については広辞苑にも他の資料にも無く不明。躑躅という字は広辞苑にあり、おそらく漢名。原産分布が久米島、石垣、西表となっていて、そこらを先島と呼ぶことからその名が付く。別名クメジマツツジ。
 高さは3mほどで株立ちする。剪定が効くので、形を作って庭の添景や盆栽に向く。花後に剪定して、形を整えると良い。赤土や鹿沼土などの酸性土壌でよく生育する。土壌が良ければ、日向に置いても、半日陰に置いてもよく花をつける。乾燥にも強い。
 花は赤色から朱色で、密生し、盛りの頃は樹冠を覆う。花径は4〜8センチ。開花期は3月から5月。久米島、石垣島、西表島に自生する固有種。


 ケラマツツジ(慶良間躑躅):添景・盆栽・生垣
 ツツジ科の常緑低木。原産分布は奄美、沖縄、慶良間。方言名:キラマチチジ
 ツツジは広辞苑にある。「ツツジ科ツツジ属(シャクナゲ類を除く)の常緑または落葉低木の通称」とのことだが、ツツジという名前の由来については広辞苑にも他の資料にも無く不明。躑躅という字は広辞苑にあった。おそらく漢名。原産分布が奄美、沖縄、慶良間となっていて、おそらく、慶良間のものが有名になってケラマと付く。
 株立ちで高さ1〜3mになる。萌芽力があり、剪定が効くので、形を作って庭の添景に向く。盆栽にも利用される。赤土や鹿沼土などの酸性土壌でよく生育する。日向に置いても、高木の木陰になるような半日陰に置いても花をつける。乾燥にも強い。
 花は緋色、紅色、または淡紅赤色、花径6〜10センチになる大輪で、ツツジの仲間としては国内で最も大きいタイプ。開花期は2月から4月。
 ツツジ類は概ね酸性土壌を好むため、花付が悪くなった場合は土壌の入れ替えを行うと良い。前述の国頭マージや鹿沼土を用いる。花が終わった後、剪定して形を整える。
 学名、ケラマツツジRhododendron scabrum G.Don 
 サキシマツツジRhododendron amanoi Ohwi.
 ヒラドツツジRhododendron×pulchrum
 サツキツツジRhododendron indicum Sweet
 タイワンヤマツツジRhododendron simsii Planch

 訂正追記:2011.1.23 ガジ丸
 記:2005.3.6 島乃ガジ丸  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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