ヒラドツツジ&サツキツツジ
 金曜日の職場の隣に産婦人科医院がある。そこの花壇の植栽はよく手入れされていて、いつもきれい。子供が喜ぶようにゲッキツを動物の形に刈り込んだトピアリーもいくつかあり、かわいいらしさを演出しているが、マツやクロキ(リュウキュウコクタン)などはきっちり、和風の段作りに仕立てられている。道路側に面した花壇にはツツジ、サツキが植えられ、きれいに刈り込まれて、時期になるとたくさんの花を見せてくれる。
 一昨日(4日)から、3月の沖縄とはとても思えない寒い日が続いて、ゴルフの宮里藍もスコアメークに苦労しているようだが、ツツジの花たちにとっても、そろそろ咲こうかなと思っていた矢先の寒さだったに違いない。開こうとした花びらを慌てて引っ込めたようで、隣の花壇のツツジも、一昨日見たときは数えるほどしか咲いていなかった。
 ツツジは、今日から始まる東村のツツジ祭りが有名である。ツツジの開花は例年より4日遅れているとニュースでやっていたが、祭り会場には色とりどりのツツジが花を見せてくれる。毎年訪れる人も多く、賑やかな祭りとなっている。私は行った事無いけど。

 ツツジは、「ツツジ科ツツジ属(シャクナゲ類を除く)の常緑または落葉低木の通称」(広辞苑)で、沖縄で庭木として用いられる主なツツジは、別項で紹介しているサキシマツツジ、ケラマツツジの他、以下のヒラドツツジ、サツキツツジがある。

 ヒラドツツジ(平戸躑躅):添景・生垣
 ツツジ科の常緑低木。原産分布は関東〜九州。方言名:なし
 ツツジは「ツツジ科ツツジ属(シャクナゲ類を除く)の常緑または落葉低木の通称」(広辞苑)のこと。ツツジという名前の由来については資料が無く不明。躑躅という字は広辞苑にあった。おそらく漢名だと思われる。難しい字なので私は覚えられない。
 サキシマツツジなどを親とする園芸品種で、長崎県平戸市で作られたからヒラドと名が付くとのこと。別名リュウキュウツツジ(琉球躑躅)とあるが、親のサキシマツツジのサキシマ(先島)が琉球の久米島、宮古、八重山地方を指すことからだと思われる。
 高さは1mていど。萌芽力があり、剪定が効くので、形を作って庭の添景に向く。強剪定は花後に行う。他のツツジ同様、酸性土壌を好み、アルカリ土壌では生育が悪い。
 基本種の花色は白色で、これがまた、白色ツツジの基本種とのこと。多数の園芸品種があり、花色は桃紫、緋赤、紅などあり、形状も一重、八重がある。
 開花期、沖縄では3月から5月。乾燥にも強い丈夫なツツジ。

 白花

 八重咲き

 八重咲きの花

 サツキ(皐):添景・生垣
 ツツジ科の常緑低木。原産分布は関東〜九州。方言名:なし
 広辞苑に五月躑躅とあったが、他の文献では単にサツキ(皐月)としてあった。サツキはサツキツツジの略であろうと推理し、ここでは広辞苑の表記通りとする。けして、広辞苑という権威に寄ったわけでは無い。倭国では他のツツジより少し遅れて5月から6月に開花するとのこと。で、サツキ(皐月=五月)という名前となっている。
 高さは1mていど。萌芽力があり、剪定が効くので、形を作って庭の添景、装飾の他、丈の低い生垣としても利用される。なお、強剪定は花後に行う。
 他のツツジ同様、酸性土壌を好み、アルカリ土壌では生育が悪いようだ。倭国ではどうか知らないが、沖縄では夏季の乾燥に弱いとのこと。
 花色は桃色で、管理が良ければ樹冠を染めるほど多くの花が咲く。倭国での開花期は上述の通り5月から6月だが、沖縄では3月から5月。
 学名、サツキツツジRhododendron indicum Sweet
 ケラマツツジRhododendron scabrum G.Don
 ヒラドツツジRhododendron×pulchrum
 サキシマツツジRhododendron amanoi Ohwi. 
 タイワンヤマツツジRhododendron simsii Planch

 愛知産

 沖縄産
 訂正追記:2011.2.23 ガジ丸
 記:2005.3.6 島乃ガジ丸  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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