タイワンレンギョウ
 沖縄と台湾との関係は古くて深い。昔(どのくらい昔かわからない位)から国際通り周辺には台湾人の経営する中華レストラン、中国物産の販売店がいくつかあり、街になじんでいた。高校生の頃、国際通りを歩いていると、まれにではあったが中国語を耳にすることもあった。
 20年ほど前くらいからか、まれにしか聞こえなかった中国語が、国際通りを歩けば必ずと言っていいくらい頻繁に聞こえるようになった。台湾からの観光客が増えたのだ。そのほとんどが中年層、ファッションセンスとは無関係な格好をしている。それは沖縄のオジサン、オバサンとちっとも変わらない格好なので、見た目では彼らが台湾人とは判断できない。が、オバサンはどこのオバサンも同じみたいで、辺り構わず大声でしゃべっている。中国語が国際通りに響く。

 それから10年も経った頃、その頃には沖縄の年間観光客数も300万人を超え、国際通りにはたくさんのキレイなネーちゃんたちが、街の景色として定着するようになった。ある日、ぶらぶらと歩いていると、中でも際立ってカワイく、カッコイイ4人組を見た。すれ違った。彼女らは静かに会話していた。台湾人だった。その後、思わず振り向いてしまうほどのカワイく、カッコイイ若い女を何人も見た。ほとんど台湾人だった。あのダサイ格好のオジサン、オバサンたちから10年も経って、台湾は、カッコイイ女性たちを沖縄に送ってきたようだ。ありがとう。
 台湾の経済発展は、昨今めざましいものがあると聞いてはいたが、国際通りを闊歩するカッコイイ台湾の女性たちを見ると、経済発展は、女性のカッコ良さの発展でもあるのだなあと思ったのである。
 題のタイワンレンギョウから台湾を連想し、植物とはまったく関係ない話になってしまった。

 タイワンレンギョウ(台湾連翹):添景・生垣
 クマツヅラ科の常緑低木。分布は西インド諸島、南アメリカ。方言名:無し
 レンギョウと名がついているが、レンギョウはモクセイ科の植物で、沖縄では生育しない。また、木全体を黄色の花で覆う咲きっぷりとは違い、タイワンレンギョウは控えめな花付き、伸びた枝の先にかたまって花をつけるので、剪定せずに放って置けば、多くの花を見ることはできる。開花期は3月から11月。花後の黄金色の実も観賞価値がある。

 花1

 花2

 白花


 キバタイワンレンギョウ(黄葉台湾連翹):添景・生垣
 タイワンレンギョウを基本種とした園芸品種で、葉の色が黄色いのでキバタイワンレンギョウ(キバノタイワンレンギョウと”ノ”を入れた表記もある)という名。こちらはもっとずっと控えめで、申し訳ない程度に花をつけるが、これもまた同じく、伸ばし放題に枝を伸ばしてやれば花を多く見ることができる。ただ、概ね刈込みものとして用いられているので、樹冠を覆うほどの花は見ない。
 庭木、緑化樹としてはタイワンレンギョウよりキバ(ノ)タイワンレンギョウがよく利用されている。大きくならないこと、葉の色が明るいという理由からだろう。どちらも強い剪定に耐えるので、刈込みものにも、生垣にも使いやすい。単独で段作りにもできる。細かい棘があってチクチク刺すので、刈り込んだ後の枝を片付ける時は注意する。
 学名は、タイワンレンギョウ Duranta repens L.
 キバノタイワンレンギョウ Duranta repens L. cv. 'Yellow Leaf'

 花


 実

 生垣
 記:島乃ガジ丸 2004.10.20  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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