セイロンライティア
 5、6年前からよく見かける花がある。それ以前はほとんど見なかった、あるいは、私が気付かなかっただけかもしれないが、でも、私が参考にしている古い図鑑のどれにも載っていないところを見ると、沖縄に入ってきたのはそう古くはないと思われる。
 花は目立つ大きさの白色、その植物の名前はセイロンライティア。記憶力の衰えた私であるが、その名前は覚えてしまった。セイロンが覚えやすい。セイロンティーのセイロンだ。セイロンから来たお茶と覚えられた。セイロン来ティーということ。

 はて、そういうけど、セイロンってどこだっけ?、インドの近くにある国だったということは記憶しているが、確かかどうか調べるため広辞苑を引く。
 「インド半島の南東にある島・・・72年スリランカと改称して、共和国となる」とのこと。今はスリランカという名前なのだと知る。でも、それを知る前に「スリランカはどこ?」と問われたら「インドの近く」ということも答えられなかった。「アフリカ大陸かなぁ」とか言ったかもしれない。植物を調べることから地理の勉強にもなった。

 セイロンライティア(錫蘭wrightia):花壇・添景・鉢物
 キョウチクトウ科の常緑低木 スリランカ原産 方言名:なし
 名前の由来は資料が無く不明だが、セイロンは「原産地がスリランカ(旧称セイロン)だから」で間違いないだろう。また、ライティアは「学名のWrightiaから」で間違いないだろう。原産地がスリランカと限定されているところからスリランカの固有種だと想像される。なら、スリランカでの現地名があるはず。それがライティアに近い発音で、それがそのまま学名となり、日本にやってきた時に流通名となったのかもしれない。
 高さは30センチから2メートル。陽光を好むが耐陰性もあるので鉢物にして室内装飾にも使える。熱帯系の植物で寒さに弱いが、沖縄では地植えも可能。
 花弁は厚めでしっかりしている。花色は白。開花期、沖縄では4月から12月。

 花
 記:島乃ガジ丸 2013.12.3  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
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 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
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