サンタンカ
 友人のE子は子供を三人産み、りっぱに育て上げている。長女は成人し、就職し、結婚を間近に控えている。長男は柔道でインターハイの県代表。中二の次男はサッカーで活躍し、ギターの練習にも熱心な努力家。三人の人間を社会に貢献できるよう正しく育て上げたのだ。これだけで既に彼女は、女性としても人間としても尊敬されていい。
 十分尊敬に値する母親は、だからもう、今さら水着など着て、亭主や周りの男たちの目を楽しませることなどしなくていい。どちらかというと、そんなことしてくれない方がいいと亭主は思っているかもしれない。どちらかというと、私もそう思う。
 彼女の亭主も私も、どちらかというと、くびれたウエストが好きみたいなのだ。三段に折り重なったお腹はあまり好きでは無いみたいなのだ。畳の上に胡坐座りしたE子のお腹は、Tシャツの上からでもはっきり判る見事な三段腹なのである。

 一説では、三段に重なるようにして咲くから三段花と名の付いたと言われる植物、サンダンカは沖縄の三大名花の一つ。原産地として沖縄と書いてある書物もあるから、おそらく古い時代から沖縄で愛されていた庭木であろう。どこの町でも、公園や民家の庭に良く見かける。橙色の花は青い空に映えて、美しい。

 サンタンカ(山丹花・三段花):花木・切花・生垣
 アカネ科常緑低木 原産分布は沖縄、中国 方言名:サンダンクァ、チャサンクヮ
 花が連なって咲く様から三段花とは、参考文献にあったが、山丹花は不明。丹は「赤」という意味があるので、山に咲く赤い花ということなのかもしれない。
 文献によってサン「タ」ンカとサン「ダ」ンカと表記が違う。山丹花ならサンタンカだし、三段花ならサンダンカと読める。どちらでもいいが、参考文献の多数決でサンタンカと濁らないことにした。私と私の周囲はサンダンカと濁って発音している。
 別名をイソクラと言うが、これは属名Ixoraから。イソクラはサンタンカの属名で同属のミニサンダンカやジャワサンダンカなども含まれる。 
 高さは1mほどになる。剪定が効き、分枝も多いので刈り込んで生垣なども作れる。酸性土壌で、よく日の当たる場所を好む。カイガラムシがつきやすい。
 花はマリ状にかたまって咲く。色は橙、開花期は4月から11月(環境によってはほぼ周年)。デイゴ、オウゴチョウと並んで沖縄の三大名花とされている。石川市、佐敷町の指定花、宜野湾市、東風平町の指定花木となっている。
 学名、
 サンタンカIxora chinensis Lam.
 ベニデマリIxora coccinea L.
 サンタンカスーパーキングIxora Duffii T. Moore cv. 'Super King'

 花
 訂正加筆:2011.2.1
 記:2004.7.29 島乃ガジ丸  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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