オウゴンガジュマル
 ガジュマルは、ウチナーンチュにとって最も親しみ深い樹木と言えるかもしれない。どこの町や村にもあり、あの高名なマジムン(魔物)キジムナーの住処として広く知れ渡っている。デイゴ、アカバナー(ハイビスカス)、モクマオウ、ユウナ(オオハマボウ)など、他にも有名な木はあるが、認知度ではガジュマルが一番だと思う。
 このガジ丸ホームページにとっても、ガジュマルの樹は特別な樹。ガジ丸の名前の由来となっているからだ。で、樹木の種類の100番目にはガジュマルを紹介しようと考えている。その露払いとして今週は、ガジュマルという名の付く二つの樹木を紹介する。別項となっているヤドリガジュマルは親戚筋にあたるが、この項で紹介するオウゴンガジュマルはガジュマルの子供というべきもの。ガジュマルから生まれた園芸品種。
 放っておくと大きく(3〜4m)なり、幹枝も太る。単独植えならそれでも良いが、生垣などの場合はそうなると面倒。よって、生垣や寄植えなどの場合は大きくなる前に刈込む。常々の手入れを怠らず、日当たりの良い場所であれば良い景色となる。
 ウチナーンチュはしかし、いかにも南国人らしく面倒臭がりやが多い。たいていの家は“常々の手入れを怠”ってしまう。で、一時期大流行だったオウゴンガジュマルも、今は同じ葉色系統のキバタイワンレンギョウに押されている。キバタイワン(略称)は幹枝が細いため、オウゴン(同じく略称)よりもずっと手入れが楽だからである。キバタイワンには細かい棘があって、チクチクして鬱陶しいという欠点があるが、オウゴンには樹液が服につくとシミになり、肌につくとちょっと痒くなるという欠点がある。これら互いの欠点を相殺した上でも軍配は、今のところキバタイワンに上がっているようだ。

 オウゴンガジュマル(黄金榕樹):生垣・刈込・添景
 クワ科の常緑低木。原産分布は台湾。方言名:無し
 ガジュマルを基本種に持つ矮性の園芸品種。台湾で育種されたと伝えられている。日当たりの良い場所に置くと、見事な黄金色の葉色になる。別名キガジュマル
 強い剪定も嫌わないので、きれいに刈り込んで生垣に多く使われる。玉作りにして添景としても良い。ただし、日当たりが悪いと、黄金色の出方も悪くなる。放っておくと高さ3〜4mにまでなるが、本家のガジュマルほどの大木にはならない。成長もそう速くは無い。高さ3mほどの大きな玉作りを、ある造園会社の庭で見たことがある。
 オウゴンガジュマルは、キバタイワンレンギョウとともに街路の刈込み低木としてよく用いられる。道路の雰囲気を明るくしようと計画した場合には、この2種はその役を大いに果たしてくれる。

 実

 生垣
 記:島乃ガジ丸 2005.1.25  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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