オウバイモドキ
 3月5日に蒔いた50粒ほどのエダマメが一ヶ月半が過ぎても全く芽を出さない。3月14日に蒔いた30粒ほどのトウモロコシは3粒だけが芽を出しただけ、それらはまだ種の内に穿り返されて食われちまったようだ。おそらく犯人は畑によくやってくるハト、ヒヨドリ、イソヒヨドリ、シロガシラなどの鳥たちだと思われる。
 畑の無い職場の庭にもハト、ヒヨドリ、イソヒヨドリ、シロガシラなどの鳥たちはよくやってくる。キジバトやヒヨドリは営巣もしている。彼らはエダマメでなく、虫を食い、花の蜜を吸い、桜の木の実などを食っていると思われる。
 職場の庭の一角にマンゴーの木がある。大きな実の付くマンゴーだが、かつて、食えるほどに熟した実を私は一度しか見ていない。その実、社長に断って持ち帰ったのだが、既に3割方は齧られていた。鳥たちはマンゴーも食っちまう。

 そのマンゴー、3月には花を付け、今はそろそろ実の付く頃となる。で、先日、そのマンゴーの着果具合を確かめるために、マンゴーの傍まで行った。近付いて行くと、遠くからは隠れて見えなかったマンゴーの根元に、見慣れぬ黄色い花が咲いていた。
 「なんだこれ?初めて見るぞ」と、写真を撮る。昼休みに、植物に詳しい同僚のOさんに訊いたが、分からないとのこと。社長、あるいは社長夫人がどこかから買ってきたものじゃないかとのこと。家に帰って、参考にしている図鑑で調べる。ある図鑑にオウバイという似た花があったが、花弁の数とか葉の出る前に花が咲くとか、ちょっと違う。
 この春、私の参考文献に新しく加わった『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』にそれがあった。同書の同ページに互いに良く似たオウバイ、オウバイモドキ、キソケイの3種が写真入りで紹介されており、それらの違いが理解できた。

 オウバイモドキ(黄梅擬):添景・生垣
 モクセイ科の常緑半蔓性低木 中国原産 方言名:不詳
 名前の由来、資料は無いが、近縁種のオウバイに良く似ているところからその名を付けられたと思われる。オウバイは広辞苑に「黄色の梅に似た花を開く」とあって、そこから黄梅ということであろう。本種はウンナンオウバイという別名もある。
 オウバイの実物を見たことは無いが、図鑑の写真で見る限り、確かにオウバイとよく似ている。でも、見分けはつく。オウバイモドキは五弁と六弁の二重咲きだが、オウバイの花は六弁の一重とのこと。また、オウバイモドキは常緑樹で、葉を残したまま花を付けるが、オウバイは落葉樹で、葉を出す前に花を付けるとのこと。どちらも中国原産。
 高さは1〜2mになる。枝が細く、先が垂れ下がって半蔓性になる。剪定も効くので庭の生垣などに向く。やや乾燥気味の日当たりを好む。
 花は黄色、マツリカと同じジャスミナム(ソケイ)属だが、花に香りはほとんど感じられない。開花期、倭国では3月から4月のようだが、沖縄では2月から4月。
 ちなみに学名は、
 オウバイJasminum nudiflorum
 オウバイモドキJasminum mesnyi

 花
 記:島乃ガジ丸 2011.4.23  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
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