マツリカ
 名前は知らなかったが、マツリカは芳香のある花として見知ってはいた。その写真は2、3年前の散歩の途中で撮ってあった。後日、ガジ丸HPに載せようと、写真見ながら文献を開く。マツリカという名が判り、意外にも身近な植物であることが判った。
 沖縄のお茶といえばサンピン茶、じつは、サンピン茶にこのマツリカの花が使われているのであった。マツリカは別名アラビアンジャスミンと言い、サンピン茶は別名ジャスミンティーと言う。ジャスミンティーのジャスミンはマツリカであったのだ。
 調べていく上で、あまり知りたくないことも判明した。サンピン茶にジャスミンが入っている理由は、不味いお茶なので香り付けが必要である、といったことによるのだそうだ。そうか、ウチナーンチュは不味いお茶を飲んでいたのか。さすが貧乏県。

 一昨日、郵便受けに1枚のチラシが入っていた。近く(徒歩5分)にある大きな福祉施設からのお知らせ。その福祉施設は毎年夏、盆踊り大会みたいなのをやっている。いつもはチラシなんて配らないのだが、今年は施設の建物が新築され、業務拡大したこともあって、例年とは少し趣向が違った内容。なもんで、お知らせのチラシ。でも、たぶん、賑やかなのは例年通りであろう。大きな音で音楽が流れるであろう。チラシの無かった去年までは「うるせぇなあ」と毎年思い、「何だ、マツリカ」と毎年思ったのである。

 マツリカ(茉莉花):壁面・生垣・鉢物
 モクセイ科の半ツル性常緑低木。原産分布は中国、インド、他。方言名:ムイクヮ
 花には強い芳香があり、南中国、台湾では茶の香料植物となっている。これがいわゆるジャスミンティー。ジャスミンとはマツリカの属名。花に芳香のある植物で何とかジャスミンと名の付くもの、たとえば、園芸店でよく見るカロライナジャスミンとかマダガスカルジャスミンとかは別の科の植物で、本種の方は正真正銘のジャスミン。
 属名の和名はソケイ属といい、モクセイ科ソケイ属では、ハゴロモジャスミン、スタージャスミン、アラビアンジャスミンなどを園芸店で見かける。アラビアンジャスミンは本種マツリカのことで、これは英語名のArabian jasmineからきている。別名モウリンカ。
 陽光を好み、そのような場所では多く開花する。半ツル性なのでフェンスに這わせたりすると良い。園芸品種であるヤエマツリカ(八重茉莉花)の方が多く出回り、この種を庭でよく見かける。性質は同じ。開花期も同じ5月から10月。

 花

 ヤエマツリカ
 記:島乃ガジ丸 2005.8.4  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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