マンリョウ
 センリョウはセンリョウという植物以外に、「価値の非常に高いこと」(広辞苑)という意味があるが、センリョウ(千両)の十倍であるマンリョウ(万両)には、そのような意味は載っていない。十倍なのに、マンリョウは万両でしかない。
 一両を現在の価値にすると、諸説あるが、江戸初期の時代で約10万円とのこと。千両はよって、約1億円ということになる。貧乏な私の年俸の60倍以上はある。これから60年もきっと私は生きていない。私にすれば、有り余るほどの大金である。
 レッドソックスへ移った松坂は6年契約で60億円だそうだ。年俸は平均10億円となる。10億円は、江戸時代の初期で言えば万両となる。豪商の蔵に千両箱が山積みになっているようなシーンをテレビの時代劇で見たことがあるが、庶民には全く縁の無い額。万両に「価値の非常に高いこと」といったような意味がつかないのは、千両という金額はなんとか想像できても、万両となると想像の範囲外だったからではないだろうか。

 そんなマンリョウ、ヤブコウジ科とある。ヤブコウジという名前もよく聞くが、私は見たことが無い。参考にしている文献に記載が無いので、沖縄には自生していないのであろう。ヤブコウジはヤブコウジ科の一種で常緑低木とのこと。
 沖縄に自生するヤブコウジ科は他にモクタチバナ、シシアクチなどがあるらしい。シシアクチは全く知らないが、モクタチバナは、もしかしたらそうかもと思われる写真を既に撮ってある。もしかしたらそうじゃないかもしれないので、まだ紹介できずにいる。

 マンリョウ(万両):添景・鉢物・切花
 ヤブコウジ科の常緑低木 原産分布は関東南部以南、南西諸島、他 方言名:ンジュン
 名前はおそらくおめでたい名前。赤い実が縁起良いということであろう。正月用としては、本種と並んでセンリョウも有名であるが、センリョウはしかし、センリョウ科で本種とは別科。本種の方がセンリョウより樹木として大型とのこと。科は違うが良く似ているのと、センリョウよりやや大型であるところから千に対し万とついたと思われる。
 高さ30〜150センチ。花は小さな白い花、葉の脇に下向きに咲く。開花期は夏。鑑賞の対象となるのは果実の方。球形で7〜10ミリほどの大きさ。赤く熟し、冬から春まで鑑賞できる。正月用の切花として有名であり、庭木や盆栽にも利用される。

 花

 実
 記:島乃ガジ丸 2006.12.20  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
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