キンヨウボク
 去年の11月、首里桃原(トウバルと読む)の辺りを散歩していたら、男と女がナニする時の、女のナニする声がけたたましく聞こえてきた。成人映画専門の映画館である首里劇場から漏れ聞こえていたのである。高校生の頃、私も何度かお世話になった映画館、ほほう、いまだ健在であったか、と何だか少し嬉しく思う。
 喘ぎ声に気付いたのは首里劇場の裏手、いかにも儲けていないことを示すかのように、建物の裏の壁は継ぎ接ぎだらけでボロッちい。儲けていなくても青少年の健全なる性教育のために、「爺さん、頑張ってるんだな」とまた、嬉しく思う。
 その時ふと、首里劇場と反対側にある民家のブロック塀に見慣れない樹木があるのに気付いた。写真を撮るが、撮ったっきり、調べもせず忘れてしまった。

 今年の5月に、友人Hの家でホームパーティーがあった。その庭先に、首里劇場の近くで発見したものと同じ樹木があった。細長い筒形をしたオレンジ色の花が咲いていた。名前を訊いたが、Hも、奥様のE子も知らないとのこと。写真を撮る。その時のものはちゃんと調べた。「金曜日の僕は、ほぼ毎週ホームページのアップをしている」と覚える。その木の名前はキンヨウボク。漢字は金曜僕では無く、金葉木と書く。その意味するところも字の通り、金の葉をした木ということ。・・・こっちの方が覚えやすいか?

 キンヨウボク(金葉木):添景・生垣
 キツネノマゴ科の常緑低木 原産地はブラジル 方言名:なし
 葉に特徴がある。文献によって表現が違うが、「縁と葉脈が黄白色」あるいは、「葉脈が鮮黄色」となっていて、そこからキンヨウボク(金葉木)と名前がある。
 高さ2mほどに留まるが、分枝が多くこんもりと茂る。黄色の葉脈がよく目立つが、若葉のうちはまた、主脈と縁が紅色で、これもきれい。
 花茎が長く伸びて、その先にまとまって花をつける。苞の色が橙色で、花は黄色または桃色。開花期についての資料は無いが、私が見たのは11月と5月。

 花
 記:島乃ガジ丸 2006.9.5  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
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