カラタネオガタマ
 カラタネオガタマは図鑑の説明文を読んで、気になっていた植物の一つ。花に芳香があるのは他のモクレン科のモクレンやタイサンボクと一緒だが、「バナナの匂い」とある。バナナの匂いがする花、ぜひともお目にかかりたいと思っていた。
 お目にかかりたいと思ってから数年が経った。よく散歩する末吉公園、浦添大公園、吉の浦公園、たまに散歩する嘉数高台公園、首里城近辺、まれに散歩する奥武山公園、漫湖公園、新都心公園、最近行きはじめた若松公園、その他多くの公園でも出会ったことは無く、あちらこちら散歩する、その途中の民家の庭々でも出会えなかった。
 ところが、先日(3月の初め)、野菜の苗を買いにと立ち寄った園芸店で見つけた。ガジ丸HPは、身の回りで偶然出会った動植物の紹介ということで始めたので、わざわざ園芸店から入手してカメラに収めるのは邪道のような気がする。が、そうした。
 まあしかし、過去におなじような例がないわけでは無い。ウチナーンチュのO型である私はその通りの性格なので、その程度は「まぁいいか」で済ませてしまう。
 購入したのは高さ50センチ程度の苗木、花を付けていた。畑の一角に植え付けて、写真を撮る。もちろん、花の匂いを嗅いだ。大雑把な性格でもそれは忘れない。

 カラタネオガタマ(唐種小賀玉木):添景・香木
 モクレン科の常緑低木 中国原産 方言名:不詳
 オガタマノキが広辞苑にあり、小賀玉木、及び黄心樹と字があてられ、「モクレン科の常緑高木。日本南西部の暖地に自生。(中略)やや紫色を帯びた白色の小花を開き、芳香がある。・・・以下略」とのこと。本種は中国渡来なのでカラタネ(唐種)と付いたのであろう。文献にはオガタマを招霊としてあったが、小賀玉木も招霊も由来は不明。
 高さは3〜5mで、剪定も効き庭木に向く。陽光を好むが、半日蔭にも耐える。
 花はモクレン科のなかでは最も小さく、黄褐色で芳香がある。匂いについてはバナナに似た匂いと文献にあり、確かにその通りと私も確認済み、で、別名をバナナノキという。開花期は、私の写真は3月だが、文献によると5月から6月。
 学名はMichelia figo Michelia fuscataで、オガタマノキ(Michelia compressa)やギンコウボクと同属。ちなみにモクレンは別属で、学名はMagnolia liliflora。

 花
 記:島乃ガジ丸 2010.3.16  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
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