イソフジ
 友人Tがやっている吉の浦ガーデンに初めて行ったのは今年の春頃だったか、それからすぐに、その近くに吉の浦公園という海浜公園があることを知った。公園を散策するのは私の趣味である。知らない植物や動物を発見できる可能性がある。で、吉の浦ガーデンへ行った日、時間に余裕があった際は吉の浦公園を散策している。
 吉の浦公園ではイボタクサギを発見し、調べて、記事を書いて、2ヶ月ほど前にアップした。テリハクサトベラとクサトベラの違いもはっきり確認できた。これについては再来週アップする予定。その他、海辺の動物も3種ほど発見している。それらについてはそのうち、調べて、記事を書いてアップする予定。

 イソフジはもう数年前にその実物を見ており、さらに、図鑑でも見ていて、一応知っている植物である。ではあるが、数年前に見たものは鉢物であった。沖縄の海岸に自生するというのだが、自然の形で見たことが私には無かった。
 それが、吉の浦公園にあったのだ。イソフジはマメ科の植物で、マメ科らしい独特な見た目をしている。最初に発見した時は、その葉っぱと果実で、「ん?これは確かイソフジではなかったか?」と私は気付いた。調べると、確かにそうであった。こういうことは何だか嬉しい。私の知識の中に「そうらしい」という部門ができたということだ。

 イソフジ(磯藤):添景・海浜植栽
 マメ科の常緑低木 沖縄、台湾、熱帯アジアなどに分布 方言名:ハママミ
 海岸に自生することからイソ(磯)、花は似ていないが、数珠のように見える莢状の果実が垂れ下がるのをフジ(藤)に見立てたものと思われる。
 英語名はSilver bush、『沖縄の都市緑化植物図鑑』にその由来があった。「葉の裏面に密毛があり、木全体が灰色がかって見えることから」とのこと。
 方言名のハママミは浜豆の意。方言名は他にハブユキギー、イカキなどある。
 花茎を伸ばし、鮮やかな黄色い花を穂状につける。開花期は9月から12月。花後、数珠のように見える莢状の果実を多く垂れ下げる。
 高さは1mほど。海岸に自生し、耐潮風がごく強い。陽光、アルカリ性土壌を好む。成長は早いが、刈込に耐えるので、適宜剪定し、形を整える。

 花

 実

 葉
 記:島乃ガジ丸 2008.11.15  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
inserted by FC2 system