フクマンギ
 私が参考にしている文献は古いものが多く、新種の植物や、最近(文献は15年以上も前のものなので、この15年のうち)になって帰化した植物などは載っていない。なもんで、植物名を調べる時、自分の撮った写真と文献の写真を見比べて確信できないものも多くある。「これだ!間違いない」というのであればいいが、「これかも知れない。だいたい似ている」という場合もいくつかあって、その場合も「えい!間違いと判ったら、その時点で訂正すればいいや」とばかりにガジ丸HPにアップすることもある。確かな情報を知りたいと思う人には申し訳ないが、沖縄のテーゲーと思って許していただきたい。

 職場の庭の2箇所にフクマンギの木があって、当たり前のことを言うようだが、同じ形の葉をしている。ところが、両者の葉は、その大きさが違う。面積にして10倍、あるいはそれ以上違う。大きい方はそれまで何度も見ているフクマンギなので、それはフクマンギであろうと確信持てるのだが、小さい方が、断定するには少し不安。花が咲くのを待ってその写真を撮り、実がつくのを待ってその写真を撮り、で、フクマンギであることを確認する。生育環境のせいで葉が小さくなっただけのことと思うことにした。
 他の樹木でも常に刈り込んで、細かく枝別れさせれば、小さな枝から出る葉もまた小さくなる。盆栽などの葉が小さくなっているのもそういうことであろうと思われる。職場の庭にある小さな葉を持ったフクマンギも、誰かがしょっちゅう刈り込んでいたのだろうと、あまり根拠の無い推理であるが、とりあえず、そういうことにした。

 フクマンギ(ふくまん木):添景・生垣
 ムラサキ科の常緑低木 原産分布は奄美以南 方言名:ウクマンギ・ククマンギ
 福満木などと縁起のいい漢字があっても良さそうなもんだが、本土(沖縄以外の他府県のこと)には無い木のようで、漢字は見つからない。ウクマンギとかククマンギといった沖縄の呼び名が少し変化して和名になったのかもしれない。
 自然樹形だと分枝が少なく、形も良くないのだが、刈込んであげればよく枝分かれし、良い形に仕立てることができる。萌芽力が強いので強剪定も可能。葉に照りがあって美しい。トピアリーや玉仕立て、生垣などにすると良い景色となる。
 花は小さくて目立たないが、かわいらしい白い花。開花期は4月から6月。実は赤く熟し食用になるとあるが、あんまり小さいので食べる気はしない。結実期は6月から8月。

 花

 実
 記:島乃ガジ丸 2005.9.4  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
inserted by FC2 system