ハシカンボク
 去年、源河川を訪ねた際、川沿いの道を歩いていると、道傍の壁からひょいと飛び出て花を咲かせている植物を見つけた。写真を撮って後日調べると、それはハシカンボクであることが判った。植物には面白い名前や意味不明の名前のものがいろいろあるが、ハシカンボクもまた面白くて、かつ、意味不明。で、想像する。
 母親の食事の支度が遅れて、とてもお腹が空いて箸噛む僕。
いやいや、植物なので、ボクは僕ではなく木に違いない。だとしたら、
 端を噛むと甘い汁が出て、山を歩く人の喉を潤したことから端噛ん木。
なんてのはどうだろう?もしかしたら正解かもしれない。しまった!見つけた時、端を噛んでおくんだった。・・・といっても、その時はハシカンボクって知らなかった。
 あるいは、麻疹(はしか)の木ってこともあり得る。花か葉か果実か根か知らないが、何かが麻疹に効くのかもしれない。・・・いやいや、もしそうだとしたら、名前の由来が判りやすく、当然、文献にも載っているはずだ。よって、この可能性は低い。とするとやはり、端噛ん木か?・・・うー、あの時、端を噛んどけば悩まずに済んだのに。
 どの文献にも名前の由来が無くて、本当のところは不明。

 ハシカンボク(はしかん木):添景・花木
 ノボタン科の常緑低木 屋久島以南、沖縄諸島に分布 方言名:ハーウレンファ
 名前の由来については資料が無く、不明。不明だが、端噛ん木なんてことをいい加減なオジサンはすぐに想像してしまった。端を噛むと美味い?かもしれない。方言名のハーウレンファについても不明だが、歯潤れん葉なんてことをオジサンは想像する。
 高さは30〜100センチ。葉はノボタンに似るが、枝に毛が多いことで区別できるとのこと。全体に毛がある。花が咲いていればノボタンとはっきり区別できる。
 山中の川辺や道端で見かける。私はヤンバル(山原、沖縄島中北部の通称)源河川沿いの道を散策している際に道端で見つけた。
 枝先に花茎を出し、淡紅色の花を多数つける。開花期は夏から秋。

 花
 記:島乃ガジ丸 2010.7.11  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
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